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バレンティーノ・ロッシ、初表彰台。今季初スプリントをメルセデスとアウディが制す/GTWCヨーロッパ

2023年05月15日 20:31  AUTOSPORT web

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レース2表彰台の様子。トレゾール・オレンジ1のリカルド・フェラー/マッティア・ドルディ組が優勝。2位にはバレンティーノ・ロッシ/マキシム・マルタン組のチームWRT46号車が入った
 5月13~14日、イギリスのブランズハッチでファナテックGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWSの2023年第2戦が行われた。今季初の“スプリント・カップ”となるこのイベントでは60分間のレースが2戦開催され、アコーディスASPの88号車メルセデスAMG GT3 Evoを駆るラファエル・マルチェッロ/ティムール・ボグスラフスキーがレース1を、トレゾール・オレンジ1の40号車アウディR8 LMS GT3 EvoⅡをドライブするリカルド・フェラー/マッティア・ドルディがレース2を、それぞれ制した。

 また、レース2では元2輪世界王者のバレンティーノ・ロッシがシリーズ初表彰台を獲得している。

 レース1、ポールポジションからスタートした88号車は、60分間のレースの前半スティントで、マルチェッロがかなりのリードを築いた。メルセデスAMGファクトリーのエースであるマルチェッロは、エミル・フレイ・レーシングの69号車フェラーリ296 GT3のアルベルト・コスタを約8秒引き離し、10分間のピットウインドウが終了する直前まで走り続け、ボグスラフスキーへとバトンタッチした。

 ボグスラブスキーがステアリングを握る間に後続とのギャップは縮まったものの、このロシア人ドライバーはフェラーを0.6秒差で抑えきってトップチェッカーを受けた。

 3位にはチームWRTの32号車アウディ(シャルル・ウィーツ/ドリス・ファントール)が入った。ファントールは終盤のスティントで前をゆくフェラーにプレッシャーをかけたが、オーバーテイクはならなかった。

 序盤は表彰台の可能性を見せていたエミル・フレイのフェラーリは、2台ともピットストップが遅く、14号車のコンスタ・ラッパライネン/ジャコモ・アルトエ組が5位でフィニッシュしている。

 ゴールドカップでは、オーレリアン・パニス/アルベルト・ディ・フォルコ組のブーツェンVDS9号車アウディがクラス最上位となる総合9位でフィニッシュした。また、これに続く総合10位には、シルバーカップ首位のトレゾール・アテンプト・レーシングの99号車(アレックス・アカ/ロレンツォ・パトレーゼ)が入った。

 シルバーカップにエントリーしている根本悠生/ロルフ・イネイシェン組のVSR163号車ランボルギーニ・ウラカンGT3 EvoⅡは総合22位でフィニッシュした。

■ピットでポジションを上げたロッシ組

 レース2では、7番グリッドスタートだった40号車アウディがチームWRTの2台のBMW M4 GT3を抑えて優勝を飾った。

 2位には、バレンティーノ・ロッシ/マキシム・マルタン組の46号車が入った。マルタンがスタートを務めた46号車は前半はグリッドと同じく3番手を走行したが、ピットストップで順位を上げることに成功し、ロッシが2番手でチェッカーを受けた。

 レース序盤はポールシッターとなったサンテロック・ジュニア・チーム27号車アウディのクリストファー・ミース、コムトゥユー・レーシング11号車のクリストファー・ハーゼの2台のアウディがリードし、マルタンが続く展開に。

 一方、40号車アウディのフェラーは1周目にエミル・フレイ14号車のアルトーを抜いて6番手につけ、コムトゥーユーのアウディと、ガレージ59の159号車マクラーレン720S GT3 Evoを目の前にして、拮抗したグループを形成していた。

 首位ミースはピットウインドウの最後まで走り、ステアリングをグレゴワール・ドゥムスティエに託したが、ピットストップの遅れが原因でサンテロックは数ポジションを落とし、さらにドゥムスティエはコースアウトを喫してしまう。一方、40号車のドルディは無傷のアプローチでロッシをパスし、トップへ立った。

 ドルディはレース後半をコントロールし、ロッシに3.7秒の差をつけトップチェッカーを受けた。2位はロッシ/マルタン組の46号車、3位はウィーツ/ファントール組の32号車となり、チームWRTはダブル・ポディウム獲得となった。

 ゴールドカップの優勝はチームWRTの30号車BMW(カラン・ウィリアムズとニクラス・クルーエッテン)。シルバーカップ優勝はVSR119号車ランボルギーニのバティスト・ムーラン/マーカス・パヴェルド組となった。根本組VSR163号車は総合23位となっている。