自分が得をするために、人の時間を平気で奪う “時間泥棒”とは距離を置きたいものだ。三重県に住む50代前半の女性(サービス・販売・外食/年収200万円)は、同級生の友人に「私の時間まで奪わないで!」と怒って縁を切ったという。同級生の結婚以来、2人の仲は疎遠になっていたが、
「私が結婚・離婚を経て、県外で商売をし軌道に乗っていたとき、どこから聞いたのか(同級生が)私のお店に遊びに来たのです」
と女性は振り返る。同級生の目的は、女性を利用してタダで観光を楽しむことだった。(文:福岡ちはや)
「手土産なし、お礼の言葉なしですか? それで友達ですか?」
同級生が初めて訪ねてきたとき、女性は久々の再会を懐かしみ彼女を手厚くもてなした。「3日間、仕事も休んで観光したりと過ごしました」というが、傍からすると2人の関係性はいびつに見えたようだ。
「彼女が帰ってから、お店でスタッフに『手土産なし、お礼の言葉なしですか? それで友達ですか?』と言われたのですが『結婚で性格変わったのよ、きっと……』と彼女を擁護し。もう会うことないし、と思っていました」
ところが、その予想は外れてしまう。同級生は、毎年冬になると女性のもとへ遊びに来るようになったのだ。女性は律儀に相手をしたが、毎回そんな調子で一緒にいても楽しくなかったのだろう。3年目に我慢の限界が来て、
「遊びに来るのはいいけど、私の時間まで奪わないで! 1人で観光して買い物しておいで」
と宣言した。それに対する同級生の答えは、耳を疑うものだった。
「『知らない土地なのに1人にするの?』って言われたので、『じゃあ1日だけ相手するから、宿泊はホテルへ行って』と伝えたら、『それじゃあここに来た意味ない!旅費だけであとはタダだから、毎年遊びに来ているのに』って」
あからさまに無料宿泊所扱いされた女性は呆れ、「二度と来るな」「迷惑。友達だと思っていないよ」と同級生を追い返したが、それでも彼女は毎年しつこく女性宅を訪ねて来たという。
「(同級生は)私が仕事終わる頃には私の家で待っているから、『私の家付近に知らない人がいたら通報お願いします』と回覧板に書き込んだところ、近隣住民に注意してくれた人たちがいて、それから来なくなりました」
女性が同級生と縁を切るまでにかかった年月は、なんと8年。同級生の“タダ”に対する執着心は、それほどまでに強かったようだ。