「職場のやばい人」は何食わぬ顔をして嘘をつき、人を陥れてくる。クリエイティブ職(メディア・アパレル・デザイン)として働く20代後半の女性(沖縄県/年収300万円)は、
「別部署のAさん(50代・男性)がやばい人です」
と打ち明けた。なんとAさんは、投稿主の女性がデザインしたものを自分の作品ということにして、社内で高評価を勝ち取っていたというのだ。(文:okei)
「話しやすく感じの良い人だなと思っていました」
女性は1年前に今の会社に転職。「知見を活かした就活生向けの広報活動をしてほしい」という理由から採用されたという。
「Aさん自身も4年前に転職したらしく、別部署に在籍しているのですが何かと業務でご一緒になることが多く良くしてもらっていました。そのため当初は私と同じく転職経験もあり、話しやすく感じの良い人だなと思っていました」
とAさんは好印象を抱かせる人物だった。しかし1か月ほど経った頃、ふと違和感を覚える出来事があったという。
「グループ会社の広報担当者から私の活動内容を取材したいとお話をもらった際、Aさんは『取材すごいじゃない。その日は化粧をしっかりしないとね。スカートも履いたほうがいいんじゃない?』と笑いながら言ってきました」
「もちろん普段から化粧はしていますし、パンツスタイルなのも会社規定の制服がスカートではないから履いていないだけなのです。その発言以来『あれ?』っと心に引っ掛かるものがあったのですが、特に気にはしていませんでした」
Aさんの発言は今どき的外れでセクハラと言われてもおかしくないが、50代男性だから仕方ないと割り切ることができたのだろう。
なぜか「Aさんもデザインができるらしい」と社内で評判に
その1か月後、「会社内に配布する用のポスターデザインのアイディアを何個かほしい」とAさんに頼まれた。これが後に思いもよらない出来事を引き起こす。
「6つパターンを出してお渡ししました。結果的に内1つの案が採用され、社内で配布されました。そのことをきっかけに他部署からも依頼をいただくようになり対応をしていたのですが」
「同時期からAさんもデザインができるらしいと他職員が話しているのを聞く機会が多くなりました。以前Aさんは『デザインとかクリエイティブなことはさっぱり』と発言していたために不思議に思っていました」
と再び違和感があったことを振り返る。そんなある日、驚愕の事実がAさんの後輩の話から発覚した。
「(後輩に)『デザインができる人と行動する機会が多いとクリエイティブなこともできるようになるんですね!』と言われ『どういうこと?』と問いかけると『これですよ!Aさんがデザインしたもの』と以前私がデザインしたポスターデザインを見せてきたのです」
「驚いた私は、『え、なにこれ?』 後輩は『Aさんがデザインしたものですよ』と… Aさんは私がデザインし採用されなかった5つを、さも自分がデザインしたかのように他部署の方と連携をとってやり取りをしていたのです」
ありていに言えばデザインを盗まれたのだった。それだけでなく、
「今後は〇〇(私)にではなく、僕に話をください」
と女性を締め出すようなことも言っているらしかった。 好印象の人だっただけに、ショックは大きかっただろう。女性はこの後、さらに難しい立場に立たされてしまう。【後編へ続く】