「何も言わなくても自分の気持ちをわかってほしい」と要求する“察してちゃん”と親しくなると、苦労が絶えない。滋賀県に住む30代後半の女性(教育・保育・公務員・農林水産・その他/年収100万円未満)は、あるとき友人から、こんなメールを受け取った。
「どうして私のことを察してくれないのか。ぼーっとしたくてテンション下がるときだってあるのに」
それは、その友人と二人で遊びに出かけた日の夜のことだった。女性は一体何を「察し」なければならなかったのか。(文:福岡ちはや)
「もうこの子のご機嫌うかがいしなくていいと思うと、スっと晴れやかになりました」
「(友人は)当日に会うとテンションが高く楽しそうにしていましたが、時間が経つとふと静かになったので、(私は)『疲れた? カフェとか入ろっか』と提案しました。しかし『そうじゃない』ってつぶやくので、『そうなの? じゃあ疲れたりしんどいなら教えてね』と言いました」
急に元気がなくなった友人を気遣っていた女性。「その後はずっと、しょんぼり気味のその子を気にしつつ過ごしました」と綴っている。
その日の夜に家でゆっくりしていると、「その子からメールが1件」届いた。
「そこには『どうして私のことを察してくれないのか。ぼーっとしたくてテンション下がるときだってあるのに』と、一方的な私への不満が長文で書き連ねてあり、最後には『絶交だ』と書いてありました」
女性の説明どおりなら当日の行動に非は見当たらないが、一方的に責められてしまった。しかしこうしたメールを受け取るのは今に始まったことではないらしく
「実は、この手のメールをもらうのは3回目。なので、この子を怒らせないようにといつも気を張っていました」
とこれまで溜まっていた思いを打ち明けた。今回も「またか」と思ったという女性。結末をこう書いている。
「あまりに一方的にこちらへの不満に腹が立ち、これがまた4回、5回と繰り返されるのは嫌だと思い、思い切って『わかった。バイバイ』とだけ返信しました。もうこの子のご機嫌うかがいしなくていいと思うと、スっと晴れやかになりました」
仏の顔も三度までだ。身勝手な理由で突然怒ってくる友人と、ずっと仲良くいられるはずがない。
「“察してちゃん”と一緒にいると疲れるということを身をもって経験したので、私は人といるときには『疲れたから休みたいな』とか、自分の希望を伝えるようにしてます」
と教訓を綴った。