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『ONE PIECE』エースの危機を知らせた"ビブルカード" 有能すぎる「命の紙」の特徴と今後を考察

2023年05月14日 07:11  リアルサウンド

リアルサウンド

SwitchBoxより(イメージ)

  別名「命の紙」とも呼ばれるビブルカードは、『ONE PIECE』の作中に登場する重要アイテム。特殊な紙で作られており、燃やしても水に浸しても破損しないだけでなく、破ってもその能力を発揮する優れものだ。ネット上では「ビブルカードが有能すぎる!」と話題になっている。その理由や特徴を紹介しよう。


■重要な役割を担ってきたビブルカード


 『ONE PIECE』には今までエース、ルフィ、ベポ、錦えもん、バージェス、ビッグマム、レイリーと計7枚のビブルカードが登場している。麦わらの一味はレイリーのビブルカードを頼りにシャボンディ諸島に集まれており、物語の節目で重要な役割を担ってきたアイテムだ。


 そんなビブルカードが初めて登場したのは、漫画『ONE PIECE』第159話。主人公ルフィの兄であるエースは、ルフィに「そいつを持ってろ! ずっとだ」と自分のビブルカードを渡すも「なんだ紙きれじゃんか」と言われてしまう。このときはただの紙として登場したビブルカードだが、後に役割が明らかとなり、このビブルカードのおかげでルフィはエースの危機に気づくことができたのだった。


 ビブルカードの役割は、大きく分けて2つ。まず1つ目は、元の持ち主がいる位置を知らせてくれるというもの。「離れたカード同士は世界中のどこにいても引き合う」という性質があり、平らな場所にカードの切れ端を置くと大元のカードの方向へ少しずつ動き出す特徴がある。


 2つ目は、元の持ち主の生命力がリアルタイムで反映されるというもの。元の持ち主に危機が訪れるとカードの切れ端は徐々に小さくなり、回復するとまた大きく復活する。ビブルカードが燃えていることは、元の持ち主が瀕死状態であることを表している。


ビブルカードの作り方は?


 さらにホールケーキアイランド編では、ビッグマムのビブルカードから魂を感じたホーミーズがナミに服従するというシーンがあった。このことからビブルカードには、元の持ち主の魂を宿すことも可能であることがわかっている。ネット上では「あれがなければナミは殺されてたし、ビッグマムの魂が宿ったビブルカードなら高値で売れそう」との声も挙げられていた。


 ファンの間では「ビブルカードは記録指針(ログポース)より有能では?」という意見も。特殊な磁場が発生し通常のコンパスでは航海ができないグランドラインにおいて、ログポースは必要不可欠な特殊なアイテムだ。しかし磁場を記録して使うログポースは、磁場そのものが変化してしまう島もある新世界ではあてにならなくなってくる。


 一方でビブルカードは磁場に影響されずに元の持ち主がいる方向を教えてくれるので、今後の展開ではログポースに代わる有能アイテムとしても役に立ちそうだ。


 ビブルカードは、とある特殊な店に本人の爪を持っていけば代理人でも作成できるよう。現にエースのビブルカードはヤマトが、ルフィのビブルカードはサボがいつの間にか作っている。ネット上では「サボはいつの間にルフィの爪を手に入れたんだ……?」と、どうやってビブルカードを作ったのかが謎であると話題に。本人がその場にいなくても素材があれば簡単に作れることから、今後本人が知らない間に勝手に作られたビブルカードが出てくる可能性もあるかもしれない。


(参考:【写真】ナミ、ハンコック、たしぎやビビのモデルも……『ONE PIECE』のキャラをイメージしたウェディングドレスが美しい


 なぜ天竜人がこんなにも傲慢なのかというと、800年前に世界政府を作った20人の王の末裔とされているからだ(ネフェルタリ家は除く)。


 天竜人には敬称があり、男性なら「聖」、女性なら「宮」が名前のあとにつく。話す語尾も特徴的で、男性は「~え」、女性は「~アマス」といった口調になる。


 天竜人の代表的な一族といえばロズワード一家だろう。ロズワード聖の息子・チャルロス聖は見た目も性格も醜悪そのもの。娘のシャルリア宮も冷酷非道な人物だ。天竜人を説明するのに最も適した一族だといえるだろう。


■天竜人の中でも異質のドンキホーテ一族


 しかし天竜人の中でも、ドンキホーテ一族だけはなぜか次々と異端者を輩出している。例えばホーミング聖(ドフラミンゴとロシナンテ<コラソン>の父)は、「人間ですよ。昔から」と言い放ち、家族で聖地マリージョアから出る決断をする。


 またミョスガルド聖も自分の命を救ってくれたオトヒメに諭されて改心。恩返しのように、しらほし(オトヒメの娘)に危害を加えようとしたチャルロス聖を殴り飛ばした。


 なぜドンキホーテ一族だけが「気づく」ことができるのか? 教育あるいは宗教も然りだが、教え込まれた思想が「間違っている」と認めることはなかなか難しい。天竜人は生まれたときから「下々民には何をしてもいい」と教えられて育つのだから、チャルロス聖のような振る舞いになるのも仕方のないことだといえるだろう。ネット上では「もともと良識のある血筋なのかもしれない」という意見や、「人の意見を聞ける素直な心を持ち合わせている一族だから?」などの声が聞かれた。


 もちろん「気づいてしまった」ことで生まれる悲劇もある。ホーミング聖たちドフラミンゴ一家は、聖地マリージョアを出たあと地獄を見ることになった。天竜人によって虐げられてきた市民たちによってひどい暴行を受けたのである。ドフラミンゴはそんな日々に耐えられず、父を憎み、とうとう殺してしまう。父の首を持ってマリージョアに戻ろうと試みたが、天竜人にも受け入れてはもらえなかった。


 一方、弟のロシナンテはドフラミンゴと対照的に父を恨んではいない。優しい心を持ち、トラファルガー・ローのように不幸な幼少期を過ごした子供を助けるため尽力していた。ロシナンテも結局ドフラミンゴに殺されてしまうこととなるが、「ドフラミンゴだけを責めるのは酷だ」という意見も多い。


■古典『ドン・キホーテ』作者の気になる名言


 作者の尾田栄一郎が、わざわざ「ドンキホーテ」と名乗らせているのも気になるところだ。古典『ドン・キホーテ』の作者であるミゲル・デ・セルバンテスは、「富を失うものは多くを失い、友人を失うものはさらに多くを失う。しかし、勇気を失うものはすべてを失うことになる」という名言を残している。この名言はそのままドンキホーテ一族に当てはまらないだろうか?


 勇気を出して下界へ下りたホーミング聖に、チャルロス聖を殴り天竜人を敵に回したミョスガルド聖。ドンキホーテ一族の勇気が、これからの天竜人との関わりに深い意味を持つことになるかもしれない。


文=ヨークシャー