給料の低さは自己肯定感まで奪ってしまう。お悩み解決掲示板に5月上旬、「手取り16万で転職もする気ないんですが、私ってダメ人間ですか?」というトピックが立った。スレ主は29歳の女性で、こんな悩みを抱えている。
「彼氏が私の3倍以上稼いでて、自己肯定感が下がり劣等感が凄いです。ほかの友達ももっと稼いでるでしょう。稼ぐ能力がなくて死にたくなります」
つまり身近な人と比べて自分は……と落ち込んでいるのだ。
「低収入、低所得な自分は価値あるんでしょうか」
スレ主は2回目の縁故採用で今月働きだしたばかり。転職はもちろん副業も禁止されていて出来ないという。生活はカツカツで、
「16万をケチケチやりくりして生活しています。こんな金額じゃ夢も希望もありません。なのに、転職も副業もしていません。低収入、低所得な自分は価値あるんでしょうか。人生楽しいでしょうか。もう29歳です」
と綴っている。ネガティブ過ぎるこのスレッドには、
「稼ぐ能力身につければいいのでは?努力を放棄して、自分の思い通りじゃないから死にたいってやさぐれすぎてるような」
「彼氏や友人など、周りに尊敬できる対象が身近にいるんだから見習って自分を高めたら?」
といった𠮟咤激励があがっている。確かに嘆くだけでは何も始まらない。29歳ならまだ若い。何かしらスキルを身につければ、リカバリーもきく年齢だ。
もちろん、彼氏がいるのだから「もう結婚しちゃえば?」と勧める人も。続けて
「共働きなら世帯収入64万以上。専業主婦でも48万以上。お金に困らない生活ができるでしょ」
と書いていた。ただ、これにスレ主は「こんなのと結婚したくないでしょ?」と返しており、どこまでも後ろ向きだ。単純計算で月約50万円稼ぐ彼氏がいても「夢も希望もない」とは、かなりネガティブではないだろうか。収入が低いからといって彼氏に依存しようと考えていないのは偉いが、それも自立心のためではなく自己肯定感の低さゆえのようだ。
「転職すればいいじゃん~が通じるのは求人がある前提」
一方で、就職氷河期世代からはこんな風に理解を示すコメントも入っている。
「私は地方住みの女性なので、低収入から抜け出せない辛さはよくわかる。転職すればいいじゃん~が通じるのは求人がある前提ですから。転職を繰り返して収入も福利厚生も減って、生活のため生き延びるため非正規になっていく人たちがどれだけいたか」
つまり地域の事情や男女差、不景気など社会構造的な足かせもある、という指摘だ。
そもそも長年給料が上がっていないのも問題だろう。国税庁の民間給与調査を見ると、1997年の20代後半の平均年収は373万円だが、2021年では371万円と据え置きどころか減っている。20代後半の女性だけに限ってみると、311万円(1997年)から328万円(2021年)に微妙に上昇しているが、同年代の男性平均の404万円(2021年)を見ると、男女差は依然大きいと言える。給与が低いのはスレ主自身の責任というのも酷だろう。
ただ、スレ主は過度のメンタル不調のようで何をどう励ましてもネガティブな答えしか返していないのが気がかりだ。とりあえず彼氏との幸せな結婚を夢見るくらいの希望は持ってほしいものだが……。
【参照元 お悩み解決掲示板:https://onayamifree.com】