Text by CINRA編集部
4月にNHK BSプレミアム、BS4Kで放送された『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』の地上波放送が決定。6月放送の新作の出演者が公開された。
『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』シリーズは、藤子・F・不二雄がライフワークとした、大人向けのSF短編漫画をもとにした実写ドラマ。NHK総合「夜ドラ」枠では4月に放送された7作品全8回を5月29日の月曜から木曜までの毎日、2週にわたって放送する。一部作品を除いて1話15分完結。
新作はBSプレミアムとBS4Kで放送。6月4日22:50から彗星が地球に衝突する事態を目前としたパニック模様を描く「箱舟はいっぱい」、6月4日23:05からこの世のすべてに実在感を持てなくなったサラリーマンの物語「どことなくなんとなく」、6月11日22:50から宇宙船の密室で繰り広げられる船員たちのギリギリの攻防劇「イヤなイヤなイヤな奴 前後編」がオンエアされる。
本多アシタ脚本・演出の「箱舟はいっぱい」に永山絢斗、袴田吉彦、さとうほなみ、神尾佑、福徳秀介(ジャルジャル)、後藤淳平(ジャルジャル)、岩川晴、上野なつひ、中西美帆、加納有沙、佐藤貴史、東野幸治、清水ミチコ、小野武彦、古田新太、江口カン脚本・演出の「どことなくなんとなく」に岡山天音、竜星涼、西野七瀬、一平、岡本ヒロミツ、江越聖也、有働佳史脚本・演出の「イヤなイヤなイヤな奴 前後編」に増田貴久、萩原聖人、野間口徹、浅利陽介、飯島寛騎、酒井若菜、竹中直人が出演。
出演者コメントは以下の通り。
【永山絢斗のコメント】
漫画原作はとても面白くて、ぜひやってみたいと思って飛び込んでみたものの、いざ自分が演じるとなると、いろいろ難しかったです。監督が藤子・F・不二雄先生の熱烈なファンということで身をゆだねて演じました。漫画のコマと同じような構図で撮りたいとおっしゃられるのですが、中々(なかなか)漫画そのもののように表現することはできず、やはり生身の人間が演じるということでそれなりに工夫したつもりです。原作を知らない方にも十分楽しんでいただけると思いますので、お楽しみに!
【袴田吉彦のコメント】
藤子・F・不二雄先生の生誕90周年という節目に出演のお話を頂きありがたい思いです。数多くの作品の中から今回、「箱舟はいっぱい」細川役を演じさせて頂きました。1974年に発表されながら、今も現実に起こりうる可能性があるのでは?と考えさせられる不思議な作品。人類の終焉(えん)が訪れるという事を実際に自分が知ったらいったいどんな時を過ごしていくのだろうと、考えさせられました。皆さんもこの物語の1人として実在するなら誰とどんな時を過ごしていくのか考えながら観(み)て欲しいです。
【さとうほなみのコメント】
彗星が地球に衝突し、人類が滅亡してしまうかも知れない。何が本当で、誰が嘘(うそ)をついているのか。「箱舟はいっぱい」は約50年前に描かれたお話で、わたしは出演のお話を頂いてから初めて漫画を拝見しました。彗星に限らず、今の時代にも有り得そうな、意外に身近な内容だと感じ震えました。本多アシタ監督の原作への愛と敬意を存分に受け、永山さん演じる大山もとても愛らしく、楽しませて頂きました。
是非(ぜひ)お楽しみにお待ちいただければと思います。
【古田新太のコメント】
藤子F先生はほんわかした空気の漫画が多いですが、実は非常にブラックな漫画も描く人だということは知っていました。原作を読んで、最後ハッピーエンドに終わらせないぞ、という気概が見えて、ちょっと悪い感じで終わるのがF先生っぽいな、と思いました。演じた連絡員の役は、原作でもかなり間抜けな感じの人なので、そのように演じたほうが、ラストシーンが気味悪くなるのではないかと思って演じました。15分のドラマですが、すごく豪華なキャストで、おいらは東野幸治さんとみっちゃん(清水ミチコさん)の架空のテレビ番組を楽しみにしています。
【岡山天音のコメント】
子供の夢想の様でもあり、どこか現実のすぐそばの物語でもある様な、不思議な感触のお話でした。
江口監督の再解釈で、より原作の奥深さや、歪(いびつ)な様相が増して行く過程がとても興味深かったです。
共演者の皆様も以前よりご一緒させていただいている方々で、この奇妙な世界に飛び込む上で、とっても心強かったです。
またご一緒出来てうれしかったです。
【竜星涼のコメント】
友人役のオファーを頂き、はじめてSF短編シリーズを読み進めるうちに、これが幼い頃よく観ていたアニメと同一人物の作品なのかと、衝撃を受けました。ブラックユーモアに溢(あふ)れていてとてもおもしろい。主人公は誰か?岡山天音くん?これはやりたい!2人で山に登りたい!そう思っていたのは僕だけかもしれませんが(笑)。過酷な山での撮影ではありましたが、素晴らしいロケーションのお陰(かげ)でより壮大な映像になったと思います。藤子・F・不二雄さんのドラマ版の世界観をお楽しみ下さい。
【西野七瀬のコメント】
藤子・F・不二雄先生の作品といえば『ドラえもん』というイメージがありましたが、『どことなくなんとなく』は、不思議でダークな世界観で、藤子・F・不二雄先生の作品の振れ幅に驚きました。
原作に忠実な部分とドラマならではの部分もあり、演じる上で難しいなと感じていましたが、江口監督、そしてこれまでも何度かご一緒している岡山天音さんとの撮影だったこともあって、安心して撮影することができました。ぜひご覧いただけたらうれしいです。
【増田貴久のコメント】
今回は「実際にはこんな人いないのでは?」と思うくらいギリギリの悪役キャラを演じさせていただきすごく面白かったです。原作漫画は何十回も読み返し、最後のオチに向けて、秘密を抱えたミズモリが、各シーンで何を思い、どのように生きているのかを考えつつ演じました。ミズモリの笑い方は原作通り「フェーヘッヘッ」とやりたいなと思って練習し、現場で監督の前でやったら一発OKでした。豪華なキャストの方々と共演させていただき楽しかったです。ここまでイヤな奴を演じたのは初めてです。どうぞぜひ見ていただいて僕を嫌いになってください!(笑)
【萩原聖人のコメント】
メンバーが男性だけで、普通の人がいない(笑)チームだったので面白かったです。
物語は、ボタンの掛け違いだらけなのですが、目的は一つという設定で、チームで演じる醍醐(だいご)味を味わいました。ヒノは熱血漢のキャラですが、怒りっぽい短気な役は演じていてエネルギーを使います。竹中さんは怒るところも適度に抜きながらなさっていて見ていて楽しそうでしたね(笑)。原作は、昔に描かれた未来の話ですが、やはり人間を描いているので普遍的なテーマになっていると思います。年齢を選ばない作品になると思うので楽しみです。
【野間口徹のコメント】
藤子・F・不二雄の短編作品では、人間の性(さが)みたいなものにグッとフォーカスするものがあって、もともと好きでしたので、この仕事が来た時は「やった!」と思いました。うちの子供に原作を読ませて「お父さんどの役やると思う?」と聞いたら「キヤマ」と即答でした。(笑)今回のキャストは気心知れているメンバーでしたので、原作にどこまで寄せるかのさじ加減も近くて、すごくやりやすかったです。原作を知らなくても十分楽しめる作品です。今の時代に自信をもって皆さんにお届けできると思います。
【浅利陽介のコメント】
SFが好きで、しかも藤子・F・不二雄先生の作品。絶対に面白い!!と思い作品へ参加させて頂きました。共演者の皆さんも素敵な方々ばかりで、楽しみながら撮影に臨むことが出来ました。
中でも竹中直人さんとは、大河ドラマ「秀吉」以来の約26年ぶりに共演ができてとっても嬉(うれ)しかったです。一緒のシーンでは終始笑いが起きていて、それを耐えることなく素直に笑っていました。
撮影現場での楽しさが、視聴者の方々に伝わることを願います!
【飯島寛騎のコメント】
幼い頃から親しんできた藤子・F・不二雄先生の作品。「イヤなイヤなイヤな奴」は今回のお話を頂いたお陰で出会えた作品でした。50年も前に描いたとは思えないほど現代の人たちにリンクする部分やクスッと笑えるところ、そして人の本質が描かれている描写に圧倒されました。宇宙空間で大人たちが本気でふざけて真面目に作った本作、是非お楽しみにしていて下さい。
【竹中直人のコメント】
とても良いチームで楽しい撮影でした。自分のことを棚に上げて言いますが、キャストがみんな変で面白い!(笑)大河ドラマ「秀吉」で子役のころ共演した浅利君と久しぶりに一緒になれたのもうれしかったですし、増田さんの「フェーヘッヘッ」という笑い方、最高でした。自分が演じた船長には、先入観を持ちたくないのであえて原作漫画は読まずに臨み、監督や周囲に合わせて演じました。少し頼りない船長になっています。みんなアクの強い人ばかりで、間違いなく面白くなると思うので、期待していてください。