5月11日から14日にかけて、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』がポルトガル北部のマトジニョスを拠点に開催される。10月のエチオピア・ラウンドまで7戦にわたって続く“グラベル(未舗装路)ラリー連戦”の初戦となる今大会に向け、シリーズ最高峰クラスを戦うトヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードから各ドライバーのプレビューコメントが発表されている。
■Mスポーツ・フォードWRT
●オット・タナク(#8 フォード・プーマ・ラリー1)
「これからグラベルシーズンに入り、タイトル争いがさらに本格的になり始めるところだ。プレイベントテストの後もまだいくつかの点で遅れをとっているが、チームの皆は改善のための道を懸命に探っている。最終的に詳細をテストするのにシェイクダウンの機会もある」
「メキシコではライバルたちがグラベルに強いことがわかった。僕たちは今後数レースの間に改善が必要な分野がいくつかある。ポルトガルは全体的には高速で、路面はかなり砂が多い。ステージの2回目のループはとても荒れて厳しくなる。首位との差を縮めることを目指しているし、タイトル争いに残れるよう全力を尽くすよ!」
●ピエール-ルイ・ルーベ(#7 フォード・プーマ・ラリー1)
「ポルトガルに行けるのはとてもうれしいよ。このラリーを気に入っているし、経験もある。すでにもう何回も経験しているからね!」
「目標は好結果を出すことだ。昨年はこのチームで最初のグラベルラリーだったが、経験がなくてもスピードは出ていた。今年も素晴らしいことができると確信している」
■ヒョンデ・シェル・モビスWRT
●ティエリー・ヌービル(#11 ヒョンデi20 Nラリー1)
「特に長年の経験があれば、何が待ち受けているかわかっているラリーの準備はより簡単だ。ドライで非常に暑いコンディションもあったし、寒くて雨の時も経験した。多くの場合、ほとんどのステージを両方の状況で何度もやるものだ。でも自分たちがよく知っているラリーでさえ、つねに新しい要素があるので、イベント前には多くの準備と作業が必要だ」
「何が待ち受けているのか、自分たちがどこへ向かっているのかを正確に知る必要がある。ほとんどの場合、できる限り効率的に進めるために、プレイベントテストの前に知っておく必要がある」
「ポルトガルは、今年のグラベルラリーのなかで楽なもののひとつになると予想している。何よりも雰囲気が際立っている。いつも多くの観客がいるんだ。象徴的なファフェのジャンプや、砂地の道、そしてアマランテ周辺の路面が固いステージがある。そこに多くの熱狂的なファンたちがいてくれるのはうれしいことだ」
●エサペッカ・ラッピ(#4 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ポルトガルというと、マシンにとってそれほど難しくもないし過酷でもないと考えるかもしれない。でも2回目の走行はいつもすごく荒れた状況になるんだ。スムーズなラリーだと考えてしまうと、実際はそうではなので、足を取られることになる。ステージの2回目の走行では、たくさんのもろい岩や大きな轍がある場所があるんだ」
「僕が楽しめるイベントであることは間違いない。僕はここは“中速”だと考えている。たとえばサルディニアほどは低速ではない。このラリーではかなり高速なターマックセクションもある。もちろん日曜日のファフェがいつもハイライトだ。グラベルの土手があってね。ユニークなラリーだよ」
「(前戦)クロアチアでの表彰台フィニッシュは感動的だった。クレイグ(・ブリーン)のためにも特別なことだったんだ。あの勢いをポルトガルに持ち込めることを期待しているよ」
●ダニ・ソルド(#6 ヒョンデi20 Nラリー1)
「ラリー・ポルトガルはいつだって特別なものだ。道路はつねに素晴らしいし、ポルトガルとスペイン中から観客がやってくる。彼らがこのイベントを特別なものにしてくれる」
「昨年は路面が少し荒れていて、気温に苦しめられた。すごく暑いラリーだったんだ。このラリーはステージの1回目から2回目で走行が進化することで知られている。さらにグリップが得られるが、路面も荒れるので、昨年はマシンとタイヤ、リムにとってリスキーだった」
「この週末もまた表彰台でフィニッシュできたら素晴らしいだろう。メキシコではペースとポテンシャルがあると感じたから、ポルトガルではトップ3の争いに戻りたいと思っているんだ」
■TOYOTA GAZOO Racing WRT
●カッレ・ロバンペラ(#69 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ポルトガルに戻ることができて本当にうれしく思う。とても好きなイベントだし、昨年は出走順一番手でステージを走行したにもかかわらず優勝することができた。我々ドライバーたちがよく知っている伝説的なステージも多くあるラリーなので、例年ペースは非常に速く、今回もきっと接戦になると思う」
「今シーズンはもっといい結果を目指していたのだけど、完璧なスタートを切ることはできていない。それでも僅差の選手権争いに加わることはできている。開幕4戦でこのような拮抗した戦いが続くのは久しぶりだ」
「これからの一連のグラベルイベントは決して簡単ではないが、ハードにプッシュし続け、良い結果を出したいと思う」
●エルフィン・エバンス(#33 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ポルトガルはとてもいいラリーだけど、近年はかなり荒れた路面が増えている印象だ。高速で流れるようなコーナーを走る楽しい区間もあれば、タイヤやクルマに気を使わなければならない区間もある。そういう意味では異なる要素がミックスされたラリーといえるが、僕自身はとても楽しむことができている」
「今回のポルトガルを皮切りにグラベルイベントが目白押しで、とても忙しい日々が続く。前戦クロアチアで優勝した結果、ポルトガルでは出走順一番手で初日のステージを走ることになるけれど、この先数戦はその役目を担うドライバーがラリーごとに変わっていくと思う」
「金曜日に直面する滑りやすいコンディションの路面で、自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮した上で、何ができるのか見ていくことになるだろう」
●勝田貴元(#18 トヨタGRヤリス・ラリー1)
「ポルトガルが本当に楽しみです。過去2年間は総合4位でフィニッシュし、特に昨年は表彰台まであと一歩でした。最終的に2秒差で表彰台を逃したので、今年は表彰台を目指します。きっと大きなチャレンジになるでしょうが、可能性はあると思っています」
「今年の序盤戦はなかなか思いどおりにいかなかったですが、クルマにはつねにいいフィーリングを感じています。毎戦進化していますし、事前のテストもうまくいったので、ハードワークが報われることを願っています」
「ポルトガルのステージは好きですし、とても走りやすいので、あとは自分自身をプッシュすることさえできれば、きっといい週末になると思います」