楽天Kobo電子書籍Award 2023の授賞式が本日5月9日に、東京・如水会館で開催された。
【大きな画像をもっと見る】“Empower e-reading”をコンセプトにマンガ・小説など良作をより世に広め、出版業界のさらなる活性化の一助になることを目的に今年設立された楽天Kobo電子書籍Award。第1回となる今年は、楽天Kobo電子書籍ストアで配信している作品の中から、コミック3部門、テキスト・写真6部門で表彰が行われた。
「一巻完結!読み切りコミック部門」では、もりもより「君の夜に触れる」が第3位、野原広子「人生最大の失敗」が第2位、藤本タツキ「ルックバック」が第1位に。「世界に届けたい!一押しコミック部門」では第3位に春日井晶「踊る千年家族」、第2位に藏丸竜彦「数学ゴールデン」、第1位に山田鐘人原作、アベツカサ作画による「葬送のフリーレン」が選ばれた。「今読んでおきたい!注目コミック部門」の第3位には佐賀崎しげる・鍋島テツヒロ原作による乍藤和樹「片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~」、第2位には藤もも「ひかえめに言っても、これは愛」を選出。第1位は荒川弘「黄泉のツガイ」が獲得した。
授賞式中には、参加が叶わなかった荒川からのメッセージが読み上げられた。これまでは紙の単行本で自作を読んでくれるファンが多いと感じていた荒川だが、ここ数年は電子書籍で読むファンが一気に増加していることを感じているそう。そこで荒川は「紙版でも意識していることですが、電子書籍でも読みやすいようにここ数年少しずつ画面作りを変化させてきました。結果さらにブラッシュアップされ、紙版でも更によい画面作りにつながってきました」と述べ、「このたび賞をいただけたのも、電子書籍というシステムに成長させてもらったのだと思います」と受賞に感謝する。最後に荒川は「引き続き試行錯誤を繰り返し、楽しいマンガを皆さんに読んでいただけますよう精進してまいります」と結んだ。
また特別賞は谷口菜津子「今夜すきやきだよ」が獲得。スピーチを求められた谷口は「私の目標はおばあさんになってもマンガを描き続けること。そのためには絶対まず健康であり続けることが大事で、もう1つは時代が変わっていくことにどうにかついていくことだと思っています」と前置きする。続けて「私は昭和生まれで、子供の頃はマンガは紙で読む物だと思っていました。作画もアナログで描くこともあるので、自分自身ちょっと古いなと感じてしまい、私の良さではあるけどに世の中に受け入れてもらえるかコンプレックスでもあったんです。今回電子書籍の賞をいただけたことで、背中を押されてがんばろうという気持ちになれました」と感謝した。
■ 楽天Kobo電子書籍Award 2023 コミック部門受賞結果
□ 一巻完結!読み切りコミック部門
第1位 藤本タツキ「ルックバック」
第2位 野原広子「人生最大の失敗」
第3位 もりもより「君の夜に触れる」
□ 世界に届けたい!一押しコミック部門
第1位 山田鐘人、アベツカサ「葬送のフリーレン」
第2位 藏丸竜彦「数学ゴールデン」
第3位 春日井晶「踊る千年家族」
□ 今読んでおきたい!注目コミック部門
第1位 荒川弘「黄泉のツガイ」
第2位 藤もも「ひかえめに言っても、これは愛」
第3位 佐賀崎しげる、鍋島テツヒロ、乍藤和樹「片田舎のおっさん、剣聖になる~ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件~」
□ 楽天Kobo特別賞
谷口菜津子「今夜すきやきだよ」