一部の企業では、就職希望者にあえて答えにくい質問をする「圧迫面接」が行われている。“就職希望者がどのような対応をするのか見るため”というのが企業の言い分だが、やられる側からすればたまったものではない。
愛知県に住む40代前半の男性(ITエンジニア/システム開発・SE・インフラ/正社員・職員/年収650万円)は、とある企業の中途採用試験で圧迫面接を受けたことを打ち明ける。
「この会社では圧迫面接を介してアンガーマネジメントを量っていたのだろう。費用倒れになろうとも、この圧迫面接を訴訟できなかったことが悔やまれる」
憤りを隠せない男性。一体、どのような面接だったのか。(文:福岡ちはや)
「初っ端から嘘つき呼ばわり。縁がなかったように思えたが、なぜか二次面接に進むことに」
男性はこれまでプロジェクト参画型の派遣就業を多く経験してきたため、職歴の記載行数が人よりも多い。それに目に付けた一次面接の面接官が
「これ嘘だよね?本当のことを記載してくれないか?」
と、初っ端から男性を嘘つき呼ばわりしてきたという。その後「1時間ずっといぶかしげに(様子を)うかがいながらの面談が進む」と終始不穏な雰囲気だったようだ。しかし
「相手の態度から縁がなかったように思えたが、なぜか二次面接に進むことに。一次の担当と、その上司と見受けられる常務役員との面談が開始。役員も同じ文句を放つ」
「これ嘘だよね? 本当のことを記載してくれない?」
一度ならず二度までも、同じ質問での圧迫面接を繰り返すことに、果たしてなんの意味があるのか。これには、さすがの男性も「捏造を疑われるのは正直気分がよくありません。一次面接の結果は共有されてはいないのですか?」と反論に出た。役員の返答は、
「応募人数も多いから1人ひとりの内容なんて見てられない。けど嘘を記載しちゃダメでしょう? 1人がこんなに経験できるわけないよ」
という、あまりに不誠実なものだった。結局、
「真摯に向き合い記載してきた人間に対して、あまりに不誠実な対応ではないですか?」
「不採用で構いません。失礼します」
と退席し、以降の選考は辞退したそうだ。わざわざ面接を受けに来た人にあえて失礼な態度を取るのは、この企業が就職希望者を下に見ているからだろう。男性は自身の経験を踏まえ、
「圧迫面接をこの世から根絶させるためにも、就活や採用の面接時は必ず録音・録画することをオススメする」
と助言を綴った。
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