isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
流動していく
今週のおひつじ座は、からだでものを知ろうとすることへの、ブロックを解除していこうとするような星回り。
宮本常一の『忘れられた日本人』(1960)に「世間師」という言葉が出てきます。
宮本は「世間師」に共通した性質として「いずれも大へん臍まがりで、頑固で、しかもどこかぬけた所のある連中であった」と書いていますが、一方で「とにかく皆世間師で、無鉄砲なところがあり、何か事のおこるのをのぞんでいたのである」とも書いているのです。こうした大らかな気風と行動面での強烈さの結合は、現代の日本人に最も欠けている要素であるとさえ感じます。
あなたもまた、そんな「世間師」のひとりとなるべく、頭ではなくからだで直接体験してきた内容を振り返ってみるといいかも知れません。
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ちっぽけなものに目をとめる
今週のおうし座は、小さくてちっぽけなものにほど、まなざしを注いでいこうとするような星回り。
『万緑に加はる杉の青き実も』(守屋明俊)という句のごとし。
ともに緑をなすのに、大きいも小さいも関係ない。むしろ、つねに変わりゆく生命の本質を体現しているのは、育ちきって形の定まった大木ではなく、未知の可能性を秘めた「青き実」の方なのだという声なき声さえ聞こえてきそうです。
あなたもまた、みずからが応答していかねばならない声がどんなものなのか、改めて考えていくことがテーマとなっていくでしょう。
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慣性にあらがう
今週のふたご座は、みずからの人生を、簡単には解きえない謎として、その度合いを深めていこうとするような星回り。
老フランス人作家ロジェ・グルニエによるロシアの文豪チェーホフの評伝『チェーホフの感じ』は、ある時はほんの数行で終わるほど短い断章ばかりで編まれた一風変わった構成になっています。
しかし読み進めるうち、それは著者が投げかける「チェーホフは人間を愛していたのか?」というテーマの重苦しさから、読者を少しでも解放するための工夫だったのだということが次第に分かってくるように出来ているのです。
あなたもまた、構成や着目点、指摘に通底するような軽やかさ、余韻をいかに自身の活動にもたらせるかということがテーマとなっていくでしょう。
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ゆるゆるボンバー
今週のかに座は、ここのところ見失っていたやすらぎを再発見していくような星回り。
『泉への道後れゆく安けさよ』(石田波郷)という句のごとし。
作者は結核をわずらい、一時は死を覚悟するほど病状が悪化していたものの、そこから奇跡的に生還を果たした直後でしたから、こうして生き永らえて泉への下り道を歩いていること自体、まだ信じられない気持ちでいたのかも知れません。
あなたもまた、「人を信じて後ろからついていく気持ち」をしみじみと味わってみるべし。
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石を待つ
今週のしし座は、言葉の行き着く先をきちんと把握し、それと一体化することを大切にしていこうとするような星回り。
ロジェ・カイヨワが生前最後に残した著書であり、ギリシアの川神に託して自らの思想の遍歴を語った『アルペイオスの流れ : 旅路の果てに』には次のような記述が出てきます。
「私は石が、その冷やかな、永遠の塊りの中に、物質に可能な変容の総体を、何ものも、感受性、知性、想像力さえも排除することなく含みもっていることに気づきつつあった。と同時に、絶対的な啞者である石は私には、書物を蔑視し、時間を超えるひとつの伝言を差し出しているように思われるのだった。」
今週のしし座もまた、みずからの内側に潜んでいる「石」のごとき、沈黙としずかに向きあってみるといいでしょう。
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水を吸って伸びる茎
今週のおとめ座は、自身がいきいき生きていく上で不可欠な要素を差し込んでいくような星回り。
『ガーベラ挿すコロナビールの空壜に』(榮猿丸)という句のごとし。
昼の室内の明るさと花の華やかさとが足並みを揃えて互いに呼応しあう一方、その下で葉のついていない茎が無防備に伸びているのがいい。それは昼の顔とは別の、夜の顔をどこかで連想させますし、それが水を吸ってしばらく生き永らえるのだと思うと、妙ななまなましさが漂ってくる。
あなたもまた、日常の中にあるエロスを改めて見出していくことになりそうです。
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論理の裂け目から
今週のてんびん座は、理屈で理解できないものへの感受性をハッと取り戻していくような星回り。
古代ギリシャの哲学者アリストテレスがつくったリュケイオンという学校には散歩道があって、アリストテレスは実際にそこを散歩しながら講義をしていたのだそうです。
実はこれはまったく理にかなった話で、他愛ない会話だけでなく、哲学的な議論が深まるかどうかは、「正しさ」だとか「合理性」のようなものから、どのように距離を取れるかで決まってきます。
今週のてんびん座にとっても、深く物事を考えていくための環境をいかに能動的に獲得していくことができるかどうかが、一つの分水嶺となっていくはず。
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小さな支流をつくっていく
今週のさそり座は、俗世とは別の時間に入り込んでいこうとするような星回り。
『草笛の鳴るまで父を見上げゐる』(大串章)という句のごとし。おそらく、作者にとって「草笛」は郷愁のシンボルなのでしょう。掲句では、そこにさらに親子の情が重なっていきます。
うまくいかなさを受け止めつつ、じっと草笛が鳴る瞬間を待っている時間とその描写こそが、読む者の胸を打つのであり、その時間の分だけ、作者は少年のころの自分に戻っていったはず。
あなたもまた、そうした自分にとっての憩いの場所に立ち返ってみるといいでしょう。
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ディスコミュニケーションを許容する
今週のいて座は、ふだん饒舌な舌をそっと引っ込めていくような星回り。
「恋と哀れは種ひとつ」。これは江戸時代を代表する劇作家・近松門左衛門の言葉ですが、最近は恋焦がれる思いが続いて詩や作品をつくってみるなんてことは流行らなくて、マッチングアプリで早々に次の恋に踏み出す人がほとんどでしょう。
近松の時代であれば、「確実にしあわせにできるかどうか、なるかどうかは定かではないけれど、心からそうなることを乞い願う」というのが恋でした。
今週のいて座もまた、いかに何も打つ手がなく、おろおろするしかないというところに留まっていられるかということを、もう少し大切にしてみるといいでしょう。
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まだ死ねない身であるがゆえに
今週のやぎ座は、みずからの人生に句読点を打っていこうとするような星回り。
『老兵が草笛捨てて歩き出す』(竹岡一郎)という句のごとし。
物語の始まりなのか、終わりなのか、そのどちらでもあるような一句。ここでは「草笛」が老兵の人生に句読点をもたらし、さらなる展開をうながしたのであり、私たちには時おりこうした“句読点”が必要なのだと言えます。
あなたもまた、中途半端なまま宙づりになっていた思いを、きちんと腑に落としていくことで、自分自身にさらなる展開をもたらしていきたいところです。
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並行世界のはざまで
今週のみずがめ座は、「新自由主義への反動」という文脈を改めてなぞっていこうとするような星回り。
2019年公開の映画『ジョーカー』を振り返ってみると、主人公のアーサーはすべてを失っていくことによって逆説的にヒーローになっていったという点で、既存のヒーローとは対極的な存在でした。
評論家の木澤佐登志は『失われた未来を求めて』の中で、「『ジョーカー』は私たちにあり得たかもしれないパラレルワールド―失われた未来―を幻視させる。それは、所有せざる人びと、換言すれば貧しき人びと、病まざるをえない人びと、不当に搾取され抑圧されている不可視の人びととの間での連帯と蜂起である。弱き者たちよ、立ち上がれ、今こそストリートへ踊り出すときが来た」と締めくくっています。
あなたもまた、そんな失われた未来に生きるひとりの道化として、自身の抱える悲劇性と喜劇性とがいかに生じ、どこに起源をもつものなのか、改めて振り返ってみるといいでしょう。
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片思いを引き受ける
今週のうお座は、隠れた願いをきちんと言葉や形にして伝えていこうとするような星回り。
『若楓おほぞら死者に開きけり』(奥坂まや)という句のごとし。
「若楓(わかかえで)」は楓の若葉のことで、初夏の季語。死者がどんな思いを抱いて死んでいったのかは、決して本人しか分かりえないことであり、安らかであって欲しいという思いは、残された生者の願いであり、祈りなのだということも忘れてはなりません。
あなたもまた、こうした届かない可能性だって高い働きかけを、それでも自身の責務として引き受けていけるかが問われていくでしょう。
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