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NHKが「ゴールデンウイーク」使わないって本当? 正面から聞いてみた

2023年05月03日 09:31  弁護士ドットコム

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4月29日からはじまった「ゴールデンウイーク(GW)」。テレビでも情報番組などでグルメや行楽地の特集を盛んに報じていますが、GWを使用せず「大型連休」と伝えている放送局があります。そう、「NHK」です。


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タレントの山田邦子さんが以前、自身の動画チャンネルで、放送禁止用語のマル秘エピソードとして「NHKはGWダメなんですよ」と紹介していました。



SNSでも「NHKはGWとは言わない」という投稿が複数あります。なぜGWを使用しないのか。NHKに直接聞いてみました。



●「営業広告」に規制のあるNHK

NHKの番組では企業名、商品名、キャラクター名などを原則使用しないというルールが知られています。放送法83条1項で「他人の営業に関する広告の放送をしてはならない」と定められていることを受けた対応です。



過去には、歌番組で山口百恵さんが「真っ赤なポルシェ」を「真っ赤なクルマ」という歌詞に変えて歌ったことがあります。Jリーグのカップ戦は正式名称「JリーグYBCルヴァンカップ」ですが、「Jリーグカップ」と企業名を除いて報じています。



もっとも、例外もあります。たとえば、スポーツ番組でプロ野球を取り上げる際は、球団名として「阪神」「ヤクルト」「西武」「オリックス」など企業名を画面に表示し、アナウンサーや出演者もそのまま口に出します。



放送法も、番組編集に必要で営業広告のためではないと認められる場合は、名称などを放送できると定めています(83条2項)。NHKが定める「放送ガイドライン」に従い、名称がどの程度社会的に定着しているかなどの要素から、幅のある運用をしているようです。



●GWは「商業的な色彩が強いことば」

NHKが「ゴールデンウイーク」を使用しないことも営業広告の規制が理由なのでしょうか。



NHK広報局は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し「『ゴールデンウイーク』はなるべく使わず、『大型連休』を使っています」としたうえで、その理由を次のように回答しています。



「かつて映画界が宣伝のために使い始めた商業的な色彩が強いことばであったことに加え、休祝日の変化・働き方の変化などによって、休みの取り方やこの期間に取得する休暇の日数が多様化しているという現実があります。『大型連休』のほか、『春の連休』『5月の連休』などの言い方もしています」



規制への配慮のほか、常に1週間の休みということではないことから「ウイーク」の表現が必ずしもフィットしないことを考慮した上での表現だったようです。



絶対に使わないわけではなく「文字数や分かりやすさを考え、画面上の表記に『GW』を使ったり、ウェブ原稿で『ゴールデンウイーク』という言葉を使ったりすることもあります」といいます。



「大型連休」中は、「GW」の表記が使われているかどうかを探しながらNHKの番組を観てみるのも面白いかもしれません。