9月28日、ポルシェはWEC世界耐久選手権第3戦スパ6時間レースが開催されているベルギー、スパ・フランコルシャン・サーキットにおいて、6月10~11日にフランスで開催される次戦第4戦ル・マン24時間で『ポルシェ963』に採用される特別なマシンカラーリングを公開した。
ドイツのメーカーは、ポルシェのスポーツカー誕生75年を記念し鮮やかなマルチカラーのデザインを導入することを決定した。これによりポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ(PPM)が走らせる3台の“ファクトリー”ポルシェ963は、同ブランドのモータースポーツの歴史に登場する有名なリバリーのスキーム(色)を参考にしたストライプをまとうことになった。
なお、3台の識別はエンジンカウルから垂直に伸びるシャークフィンの色で区別できる。具体的にはレギュラー参戦の5号車、6号車がブラックとホワイト、ル・マンに投入される3台目の75号車はレッドとなる。この3台目は北米のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権から持ち込まれる車両だ。
ポルシェのセールス&マーケティング担当役員であるデトレフ・フォン・プラテンは、「今年はポルシェのスポーツカー誕生と耐久レースの75周年を迎えるが、特に耐久レースはポルシェのDNAの中核をなす要素だ」と語った。
「そのため、ル・マン24時間レースの100周年は、ポルシェブランドにとっても特別な意味を持っている」
「3台のワークスカーのカラースキームは、ふたつのアニバーサリーを結びつけるものだ。ポルシェ963のすべてのカラーには、それぞれのル・マンの歴史がある。そして、そのひとつひとつを私たちはとても誇りに思っているんだ」
■7つの色が示すポルシェ・スポーツカーの歴史
ル・マン24時間向けのスペシャルカラーリングに見られるオレンジのストライプは、ポルシェ917で有名なガルフカラーを連想させるものだという。また、ピンクのストライプは“ピンク・ピッグ”ポルシェ917/20と、それをモチーフに2018年のLMGTEプロクラス優勝車となったポルシェ911 RSRのトリビュートカラーにちなむ。
“ヒッピー”と“ザルツブルク”のポルシェ917も、ALMSアメリカン・ル・マン・シリーズで成功したペンスキーのポルシェRSスパイダーを飾ったイエローとともに言及されている。
さらに、ロスマンズやマルティニのブルーもアニバーサリー・スキームに組み込まれていることが確認できる。
ポルシェのモータースポーツ担当副社長であるトーマス・ローデンバッハは、「ル・マンでは、私たちのブランドの75周年と24時間レースの100周年を記念した3台のポルシェ963が、まさに人目を引くことになるだろう」と述べた。
「このデザインがすぐにファンの心をつかむことは間違いないと考えている。私たちは、ル・マンにおけるポルシェの豊かで輝かしい歴史から、この車両デザインを採用することにした」
「ピンクの豚になった917や1970年の“ヒッピーカー”などはレースの歴史に名を残すもので、それらは今でも人気がある」
「3台のポルシェ963に施される特別なデザインで、私たちはル・マンにおけるこの偉大な伝統を継承していく」