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京都・梨木神社に咲く“愛の花”と名水珈琲

2023年04月25日 10:01  オズモール

オズモール

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◆京都の名水で淹れたコーヒーとともに、梨木神社に咲く“愛の花”と、恋が叶う御神木に願う/京都ノ彩リ、出逢ウ巡ル。

#京都ホテル  #京都レストラン
二十四節気×色をテーマに、京都在住の広報・PRとして活躍する西井さんが紹介する「京都ノ彩リ、出逢ウ巡ル。」。青葉が茂り、暦の上では夏が始まる「立夏(りっか)」のころ。

京都の梨木神社では、かつて宮中でしか育てることを許されなかった「白雲木」の花々が境内を染め上げます。花言葉は“愛の旅”。恋が叶うといわれる御神木や、京都三名水のひとつで淹れたコーヒーとともに、特別な「イロドリ」に出逢ってきました。


◆京都“立夏”ノ彩リ、出逢ウ巡ル。/梨木神社

梨木神社とは、その歴史は?
明治18年(1885年)に創建された梨木神社は、近代国家への歩みを進めた“明治維新”に貢献し、明治新政府の要職を務め支えてきた公卿である、三條実萬(さねつむ)と、その子息である三條実美(さねとみ)が御祭神として祀られています。

公卿(くぎょう)とは、天皇や御所に仕える公家の中でも、最も重要な国政を担った役職である“摂政・関白・左大臣・右大臣・参議”といった、三位(さんみ)以上に選ばれた公家たちのことを指し、日本史上において数多の公卿がいました。それでも梨木神社のように公卿の方が御祭神であることは他に例が少なく、全国的にみても大変珍しいようです。



また御所のすぐ近くであることから、創建以前この地域においては、多くの公家屋敷が並び建っていたそうで、お社の名称由来となる旧町名が入った“梨木通り”も、公卿たちが朝夕のお勤めのための参内道として使われていたそうです。



花言葉は「愛の旅」。境内に広がる白雲木
萩の名所と知られる梨木神社ですが、実は初夏に見頃を迎える樹木「白雲木(はくうんぼく)」があることは広く知られていません。白雲木の特徴は白い小花が釣鐘状に連なって咲き、樹皮が灰白色であることです。開花すると、まるで白雲のように見立てられ、甘く優しい香りが境内を包み込みます。

その花言葉のひとつが“愛の旅”。古来日本は“雲出づる国”と喩えられ、出雲に集まった神様が、誰と誰を結びつけるか話し合いをされたことと、白雲のような白雲木の特徴が合わさり花言葉が生まれたのではないかと、伝承されています。

今では神社を訪れると、その姿を楽しむことができますが、かつては宮中でしか育てることが許されない“禁廷木”であったそうです。遮るものがない参道からの青空と、風に吹かれゆらゆらと咲く“白雲木”の様子は、まるで雲中の世界にいるようでした。



ハートの葉っぱも。恋が叶うといわれる御神木
境内参道を真っ直ぐに進むと、本殿の少し手前の左手に御神木の桂の木が見えてきます。

この桂の木は“愛の木”と呼ばれ、葉っぱがハートの形をしていることや、根本から何本もの木があわさり上に伸びていく様子から、家族愛や恋愛などにご利益があるとされています。

この“愛の木”を撫でながら、心の中で願いを唱えると恋愛が成就したともいわれ、知る人ぞ知る恋愛のパワースポットだそう。試してみてくださいね。



唯一現存する京都三名水、染井(そめい)の水
御神木のすぐ左手には、縣井(あがたい)、醒々井(さめがい)と共に、京都三名水と称される“染井(そめい)”の井戸があります。既に他の井戸は現存しておらず、唯一現在し枯れることなく沸きつづけている貴重な井戸になります。

この染井(そめい)という名称は、かつての宮中でこの水を使って染めものをすると、綺麗に染め上げることが出来たことが由来だそうです。また、柔らかい味わいから茶の湯の水としても愛用され、多くの茶人たちが好んで、この水を汲みにきたとされています。

染井の水に浸し浮かびあがった文字を読む“水みくじ”もあるので、愛にまつわる御神木や白雲木にかこまれながら、その行方を占ってみてはいかがでしょうか。
梨木神社
住所/京都市上京区寺町通広小路上る染殿町680
参拝時間/9:00-16:30
拝観料/無料
アクセス/京阪電車 神宮丸太町駅より徒歩15分


◆梨木神社の“よりみち”スポット/Coffee Base NASHINOKI

名水を味わう、唯一無二のコーヒースタンド
梨木神社で本殿を参拝し“愛”にまつわる境内を巡った後は、参道にある昨年8月に境内にオープンしたCoffee Base NASHINOKIへ。

神社で古くから茶室として使用されていた「春興殿」をリノベーションした店内。参拝される方に「名水・染井の水を楽しみながら、京都散策の疲れをとるためにゆっくりと休憩して欲しい」という、宮司の多田様の思いから生まれたのだそう。

神社の紋があしらわれた暖簾をくぐると、艶感のある黒を基調にしたカウンターがあらわれ、歴史ある木造建築との調和に心が浮き立ちます。



柔らかな名水の味わいを、コールドブリューで感じて
抽出する水だけでなく氷まで染井の水を使った、「コールドブリュー(水出しアイスコーヒー)と栗まんじゅうのセット」1030円。柔らかくもすっきりとしたコーヒーの味わいに、既にリピーターが続出しているとか。自家焙煎された新鮮なコーヒー豆は、中煎りや深煎りなどが楽しめ、季節や天気によって抽出方法を変えるなど、珈琲にかける“愛”を、しっかりと感じることができます。

カウンター横のスタンドでもいいのいですが、縁側や庭に設置された長椅子に腰をかけることもできます。

境内を包み込む白雲木の香りとともにコーヒーを味わう体験ができるので、お天気が良い日は縁側で過ごしてみてはいかがでしょう。



水、コーヒー、お菓子の三位一体に至福のひとときを
またCoffee Base NASHINOKIでは、店舗右側にある別室において「コーヒーコース」4000円(完全予約制)が提供されています。

水出し、ハンドドリップ、エスプレッソ、カフェラテ…と、同じ豆を使いながらも、様々な抽出方法によって変化するコーヒーの味わいと、季節のお菓子とのペアリングを堪能できるコース。1日3枠(1枠5名まで)限定ですので、楽しみに訪れてみるのもよさそうです。
Coffee Base NASHINOKI
住所/京都府京都市上京区染殿町680 梨木神社境内
営業時間/10:00~17:00
定休日/なし
アクセス/京阪電車 神宮丸太町駅より徒歩15分