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567日ぶりの優勝。「最後の1ピースが、ようやくはまった」豊田章男TGR WRT会長コメント全文

2023年04月24日 11:31  AUTOSPORT web

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WRCでのエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組の優勝は、2021年10月に開催されたラリー・フィンランド以来、567日(1年6カ月と20日)ぶり。 2023年WRC第4戦クロアチア・ラリー
 4月20日から23日にかけて、クロアチアの首都ザグレブを中心に開催されたWRC世界ラリー選手権第4戦『クロアチア・ラリー』において、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR WRT)のトヨタGRヤリス・ラリー1を駆るエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が、2021年シーズンの第10戦ラリー・フィンランド以来、約1年半ぶりとなる優勝を飾った。トヨタにとって今季3勝目をマークすることになったラリーの終了翌日、TGR WRT会長である豊田章男氏から恒例の大会後コメントが発表されている。

 クロアチア・ラリーの1週間前、同イベントに向けた事前テスト中に起きた悲運の事故によって命を落としたクレイグ・ブリーンを偲び、遺族やヒョンデ・チーム関係者に哀悼の意を示した豊田会長。

 33歳という若さで亡くなったアイルランド人ドライバーの追悼ラリーとなった今大会で勝利を収めたクルーのひとり、コドライバーのマーティンはかつて、ブリーンとともにラリーを戦った男である。このことに触れた豊田氏は「スコットが表彰台の一番高いところに立てたこと、良かったと思います。スコットおめでとう」と祝福。

 また、「エルフィンも、スコットの笑顔をブリーン選手に見せてあげてくれてありがとう」と綴り、567日ぶりの勝利に頬が緩んだウイナーに向けて、「久しぶりの優勝! 本当におめでとう! エルフィンの笑顔、最高でした」と続けている。

 そんな同氏のコメント全文は以下のとおりだ。

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先日、我々の強力なライバルであり大切な仲間でもあったドライバーを失いました。亡くなったクレイグ・ブリーン選手、そのご家族、チームの皆さまに哀悼の意を表します。

今大会は、すべてのラリー仲間たちがブリーン選手のことを想いながら走っていたように感じます。そのような大会で、ブリーン選手のかつてのコドライバーであったスコットが、表彰台の一番高いところに立てたこと、良かったと思います。スコットおめでとう。

エルフィンも、スコットの笑顔をブリーン選手に見せてあげてくれてありがとう。そして、エルフィン自身は、久しぶりの優勝! 本当におめでとう! 2021年のフィンランド以来の優勝です。ずっと苦しんでいたエルフィンの最後の1ピースが、ようやくはまったのだと思います。エルフィンの笑顔、最高でした。

ブリーン選手は「運転を楽しむことの大切さ」について、よく話されていたそうです。今回のエルフィンは、きっと心から運転を楽しめていたから、あの笑顔だったのだと思います。ラリーが好きで、運転を楽しもうとする我々にとって、今回の事故は、本当にショックで痛ましい出来事でした。今後、こんな悲しいことが起きぬよう、やれる限りの対策を、我々は必死に考えて実行していかなければならないと思います。

走るクルマの音や匂いや迫力、ドライバーたちのドラマ……、ラリーは本当に人々の心を動かすスポーツだと思っています。そんな感動を、これからもモータースポーツの現場からお届けしていきたい。そのためにも我々は、もっといいクルマづくりを続けてまいりたいと思います。

TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team会長
豊田 章男