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『ラブライブ!サンシャイン!!』るるぶ本登場  アニメ終了から5年経ってもなぜ人気? 地域活性でも成功の理由

2023年04月19日 17:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 静岡県沼津市が舞台のアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』の聖地を紹介するガイドブックの決定版『るるぶ ラブライブ!サンシャイン!!』が、2023年6月30日(金)に発売されることが決定した。


(参考:【写真】ラブライブ!の聖地、沼津の盛り上がりを見る


『るるぶ』の公式Twitterによると、沼津各地の聖地巡礼ガイドのほか、関係者の特別インタビューなどもりだくさんの内容になっているとのことだ。さらに今年7月から放送予定のスピンオフ作品『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』を解剖する記事も掲載されるという。


 企画から編集まで担当した編集者の江本典隆はTwitterを更新し、「『るるぶ ラブライブ!サンシャイン‼︎』やっと発表できました。私は企画から内容まで、プロデューサーとして編集部と共に全力で制作中です。作品、Aqours、沼津に関わるすべての皆様、ファンの皆様にリスペクトを込めて作ります!よろしくお願いいたします!!」とコメントしている。


 『るるぶ』といえば、JTBパブリッシングが発行する旅行ガイドの決定版だ。1973年に創刊され、今年はなんと50周年を迎える。こうした老舗ゆえ真面目で堅実なイメージがあるが、実はアニメや萌え系とのコラボは以前から積極的に行われてきた。2005年には秋葉原や中野のオタク系スポットを紹介した『もえるるぶ東京案内 ~史上最濃! やくにたつ萌え系ガイドブック~』を出版したのを皮切りに、近年では『ガールズ&パンツァー』や『原神』とのコラボなど話題作を連発している。


 記者はまだ今回の『るるぶ ラブライブ!サンシャイン!!』を見ていないが、同社の実績とノウハウを駆使した大作になっていると思われる(余談だが、記者も何度か他のエリアの『るるぶ』で原稿を執筆しているので、同社のしっかりした編集方針については熟知しているつもりだ)。


 表紙は描きおろしとなり、まだ画像はUPされていないものの近日中に公開予定という。そして、注目の記事は「Aqoursの声優さんと行く!沼津の注目スポット」だ。なんと、津島善子役の小林愛香、渡辺曜役の斎藤朱夏、黒澤ルビィ役の降幡愛が沼津でロケを行ったようで、撮りおろし写真のほかに“沼津愛”溢れるコメントも多数掲載されるとのことだ。なお、小林愛香と斎藤朱夏は3月24日にJR東海が行う「沼津ゲキ推しキャンペーン!」の一環で、JR沼津駅の一日駅長を務めている。


 もちろん旅行ガイドの『るるぶ』らしく、観光ガイドとして優れた内容だ。アニメに多数登場する内浦や淡島、そして現在JR東海とのコラボキャンペーンも話題になっているJR沼津駅周辺、そして美食の宝庫でもある沼津港など、ラブライバー必訪のスポットが濃密に紹介されている。初めて沼津を訪れる予定の人も、何度も沼津を訪れている人でも楽しめる実用性は『るるぶ』ならではだろう。


 沼津周辺だけでなく、函館、東京、イタリアのガイドも掲載されるという。沼津が舞台なのになぜ? と思う人もいるかもしれないが、これらの都市も作中に登場する重要な聖地だ。特に函館は『ラブライブ!サンシャイン!!』の2期に多数登場し、2人組のスクールアイドルグループのSaint Snowゆかりの地としても有名。記者も好きな建築である重要文化財の「旧函館区公会堂」など、函館の名所が多数掲載されていると思われる。


 沼津の魅力はアニメの聖地として魅力的なだけでなく、純粋に観光地としても楽しめるスポットが多い点が素晴らしく、それがファンを引き付ける要因にもなっている。アニメをきっかけに沼津を訪れて感動し、移住を決めた人も多いという。テレビアニメの放送終了から既に5年以上が経っているものの、まったく人気が衰える気配がない『ラブライブ!サンシャイン!!』の今後の動向に注目したい。


文=山内貴範