開演前から会場中のリングライトやバングルライトが揺れており、観客は開演を今か今かと待ちわびている様子。そんな中DJ U-ICHIが登場し、「声出しOKなんで、本番が始まるまで声出しましょう!」とさらに会場のボルテージを高めていく。全員で声出しの練習をし終わると暗転が入り、モニターにはオープニング映像が映し出された。地鳴りのような歓声が沸き起こり、ステージに登場したのは6ディビジョン、総勢18名のキャストたち。「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- +」でライブの幕が上がる。
それぞれが渾身のパフォーマンスをしてみせると、山田一郎を演じる木村昴の「みんなの声、ちゃんと聞こえてるからな!」を皮切りに、勢いそのままに「Survival of the Illest +」へ。キャストたちが「最高!」と口々に発すると、「ヒプノシスマイク -Glory or Dust-」へ続き、スタートダッシュを決めていった。
気合十分のDivision All Starsが一度ステージを後にすると、ダンサーとDJによるダンスパフォーマンスへ。彼らもまた、同公演を心待ちにしていたようなパワフルなステージを繰り広げていく。ここでディビジョン曲パートへ。まずはどついたれ本舗の「縁 -ENISHI-」が会場をあたためる。
続けて各ディビジョンが次々とパフォーマンス。MAD TRIGGER CREWの「Scarface」では、曲終わりに入間銃兎役の駒田航が碧棺左馬刻役の浅沼晋太郎のタバコに火を付ける場面が。思わず会場からは黄色い声援が巻き起こっていた。
その後も麻天狼の「シンクロ・シティ」、Bad Ass Templeの「でらすげぇ宴」、Fling Posseの「とりまGet on the floor」、Buster Bros!!!の「IKEBUKURO WEST BLOCK PARTY」と矢継ぎ早に飛び出し、息つく暇がないほど。観客のバイブスも上がりまくっていく。
ステージがレーザーとスモークで包まれると、モニターには中王区のロゴが。現れたのは、勘解由小路無花果役のたかはし智秋と東方天乙統女役の小林ゆう。まずは「Femme Fatale」で会場を一気に魅了すると、小林による「Just do it」、たかはしによる「No Pain, Not to be Strong」で中王区の世界観をこれでもかと繰り広げていった。その強さと美しさに魅了されていると、追撃するかのように「Verbal Justice」が飛び出す。曲終わりには「何があろうと我々言の葉党の力は揺るがない!」(たかはし)、「皆様、この後も心ゆくまでお楽しみください」(小林)と言い残し、ステージを後にする2人。最後まで潔い、クールなパフォーマンスであった。
続いてはゲストコーナーへ。Day2のゲストは、「Verbal Justice」のラップ制作を手掛けているAwichだ。
彼女が登場すると、大きなクラップが巻き起こる。まずは「Queendom」をブチかますと、「NWO」で観客をノックアウト。会場中が彼女のステージに引き込まれていく。「こんな貴重な場所にお呼びいただき、本当にありがとうございます」と挨拶をすると、「みんなちょっとだけ飛んだりできる? イケるね! ヒプマイ、Let's go!」と「Remember」へ。あっという間に空間を支配した圧巻のパフォーマンスに、彼女のパワーとカリスマ性を見た気がした。「全部辞めようと思ったこともある。でも辞めなかった。それでわかったことがある。辞めなければいつでもリベンジできます」と語ると、「Revenge」へ。続けて「WHORU?」、「GILA GILA」と一気に駆け抜け、最後は「本当にありがとう、Awichでした! I love you so much!」とステージを後にした。
DJとダンサーによる熱いパフォーマンスを挟み、ステージに現れたのは各ディビジョンのリーダー6人。「次は俺たちがかます番だぜ!」(木村)と「UNITED EMCEEZ -Enter the HEXAGON-」でそれぞれのラップスタイルを存分に見せつけていく。会場の熱気が冷めやらぬまま、ここでMCタイム。
大きな歓声を聞いた木村が「押し寄せてくるぜ、みんなの声が……!」と壁に貼り付けられるような素振りをすると、黒田が木村を引き剥がそうとする場面も。こうして笑いを交えながらも、各ディビジョンそれぞれ思いを語っていった。さらに、TVアニメ第2期が10月より放送されることもDay1に引き続き改めて発表。加えて、8月23日にEPが2タイトル同時リリースされることも発表された。
木村が「ライブのラストスパート、行きたいと思います!」と曲振りをすると、オオサカ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンを加えた特別バージョンの「絆 +」へ。どこかあたたかな雰囲気に会場が包まれたが、「ヒプノシスマイク -Division Battle Anthem- +」で空気は一転。再び会場のボルテージが上がっていった。そして、ラスト1曲は「CROSS A LINE」。「泣いても笑っても最後の曲だぜ。出し惜しみすんじゃねーぞ!」という木村の呼びかけに応えるかのように、会場中の光が揺れていた。キャスト一同名残惜しさを見せつつも、最後はお決まりのコール&レスポンス。「ラップって」、「たのC!」という約1万5000人の声が響き渡り、Day2に幕を下ろした。
Text by: 高橋 梓 Photo by:粂井健太・nishinaga "saicho" isao・小林弘輔・木場由仁
~ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 9th LIVE ≪ZERO OUT≫ DAY2 セットリスト~
M1:ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- + M2:Survival of the Illest+ M3:ヒプノシスマイク -Grory or Dust- M4:縁 -ENISHI- M5:Scarface M6:シンクロ・シティ M7:でらすげぇ宴 M8:とりま Get on the floor M9:IKEBUKURO WEST BLOCK PARTY M10:LESSON M11:Private Time M12:BB's City M13:ワライカエセ! M14:夜光虫 M15:Femme Fatale M16:Just do it M17:No Pain, Not to be Strong M18:Verbal Justice