就職先は親の言いなりではなく自分で決めたいものだろう。しかし
「大学4年の就活生の頃、母の猛反対で内定辞退に追い込まれた事がありました」
こう綴るのは、東京都に住む30代後半の女性だ。母親は、「私が幼少期から過干渉で少しでも思い通りにならないと高圧的に怒鳴る人」だったと振り返る。
「そこに入りたくて市役所わざと落ちたんだろう!」と母親
当時内定を貰っていた会社は「IT系の中小企業」で、「社長が当時30代だったため母は激怒したのです」と理由を明かす。母親からは、こんな暴言で罵られたという。
「男の尻を追いかけまして!」
「面接で大学休ませられた分の学費を返してもらって来い!」
「そこに入りたくて市役所わざと落ちたんだろう!筆記試験白紙で出したんでしょ!何が就活だ!男目当てにふらふらして!」
同じ時期、母親の要望で「地元の市役所の採用試験」も受験していたが、不採用だった。
「母はどうしても市役所職員になれと言い、受けなければ今すぐ大学を中退させるとまでうるさかったのです。もちろん試験を白紙で出した覚えはなく本当に不採用となったのです。また社長が当時30代だったからといって異性として意識した覚えは全くありませんでした」
地元で地方公務員として働くことを強く望んだ母親だが、思い通りにならなかったからといって娘の就活を「男目当て」と責めるのはひど過ぎる。
「母は叔母をはじめ親戚にこの事で酷く愚痴をこぼして迷惑をかけていました。毎日『内定辞退』とうるさく言われ続け、結局辞退したのです」
最終的には女性が折れるしかなかったようだ。「入社には身元保証人と印鑑証明も要るため私本人の意思だけでは叶わないと思ったのです」と諦めの理由を綴る。しかも
「その会社は当時としては珍しく親御さん向けの説明会もありました。その事でも母は『親まで取り込んであんたを雇う気満々で許せない!(社長は)まだ30代のくせに!』と怒っていました」
と謎の偏見が止まらない母親。その後、女性が内定辞退した事を告げると
「あんな会社わざわざ謝りに行く価値ないでしょ!どうせ断るんだから全部ほっとけば良かったんだ!何でもすっぽかしてれば向こうも断られたと諦めたはずでしょ!連絡したり謝り行くなんて馬鹿みたい」
と驚愕のセリフを放ったという。
「内定辞退は今も昔も連絡しなければいけません。無視したままでは迷惑になる上、次の採用に障ります。(母親が)就活事情を全く知らなかったこととそれを私に押し付けた事は今も忘れられません」
母娘の間には、いまも根深い思いがわだかまっているようだ。