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【学生の一人暮らし】男子大学生の家賃は5万円台が最多、女子大学生の家賃相場は?

2023年04月17日 14:11  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ガロア は、日本全国の学生を対象に住居・住まいに関する調査を行った。調査期間は3月17日~3月24日の期間で、対象はガクセイ協賛に登録する全国の700大学の学生。形態はインターネット調査で、回答者数は4年制・短期大学・専門学校を含む学生500名。(女性:326人・男性:174人)



最初に大学生の住居形態について調査を行った。


大学生の住居形態について調査するために、「現在住んでいる家は?」という質問を500人に行った。結果は実家暮らしが6割、一人暮らしが3割、その他(寮やシェアハウス)が1割となった。



「実家:下宿」ではおおむね「6:4」という数値になり、比率で見ても男女で大きな違いはなかった。



他にも「兄弟や親戚と同居」や「恋人と同棲」という回答も挙がった。


次に「家から学校までの通学時間は?」と質問をした。「30分以上」の割合が6割で、「30分以下」の割合が4割となった。



上述した「実家:下宿」とほぼ同じ比率となっており、通学にかける時間は実家暮らしの方が30分以上、一人暮らしの方が30分以下という目安になると分析。また1時間以上と回答している割合は37%で、一定数遠方から通う学生も存在することが分かった。


内訳を見ても、一人暮らしの場合は9割が通学時間30分以内であり、反対に実家の場合は9割近くが通学に30分以上を要している。


「家から学校までの通学手段は?」と本項目で質問したところ、「徒歩」利用者は252人で「徒歩のみ」で通学している学生は60人で12%となった。他には、駅まで徒歩やバスや自転車で向かい、そこから電車に乗るなど、複数の交通手段を使うケースが見られる。


下宿の割合が40%であったのに関わらず、「徒歩のみ」の割合が12%であることから、下宿先の物件探しにおいて、徒歩圏内を意識する人はそこまで多くないことが分かった。



1つ前の質問結果と合わせてみると、交通手段を問わず通学時間30分以下を目安に物件を探している学生が多いと考えられる。


「現在住んでいる家をどのように探しましたか?」という質問を実家以外に住む学生に行ったところ、不動産会社のホームページやアプリを利用する方が半数程度(34%+17%)という結果になった。物件探しと聞くと、有名サイトや会社を利用するイメージが強いが、大学生協や町の不動産屋を利用する方も43%と多くいる。


さらに「物件・部屋を選ぶ場合の条件について教えてください」という質問をした結果、大学生が最重要だと考える項目が「家賃(78%)」であることがわかった。



次いで「周辺環境、バス・トイレ別、駅チカ、防犯性」などの項目が大学生からは重要視されているようだ(重要と回答した方の割合)。



以下ではより具体的に家賃や周辺環境、間取りに関する質問を行っている。


「現在住んでいる家の家賃は?」と質問したところ「5万円台」が最も割合として大きいことがわかった。



全国大学生協協同組合連合会が発表している「第57回学生生活実態調査の概要報告」でも、大学生の一人暮らしの家賃平均は1カ月あたり53,920円とされており、大学生の現実的な家賃のラインが5万円前後であることが予想できると分析。



ただし「5万円台」の割合が突出して大きいわけではなく、地域的(地価的)要因もあり、理想値よりも上ぶれる場合も下ぶれる場合もある。


家賃に関する調査では、男女別の数値にやや違いが生まれた。女子大学生の方が男子大学生に比べて、家賃が高い傾向にある。



女子学生の場合、物件探しの際にセキュリティ面や衛生面を考慮することから、自然と家賃の平均が男子学生よりも高くなってしまうことが推測される。


「現在住んでいる家の間取りは?」という質問をした結果、大学生の大半が「ワンルーム」か「1K」(35%+41%)であることがわかった。



1人暮らしという条件に絞ると、「ワンルーム」+「1K」の割合は83%となる。大学生の間取りの選択肢としてはワンルームか1Kが主流という解釈で間違いなさそうだ。



一部、1LDK~3LDKと回答した人もいたが「ローカルエリアで劇的に家賃がやすく広い部屋が借りられる」、「家庭が裕福であり支援をしてもらえる」、「シェアハウスや同棲である」など例外的な理由であった。


間取りに関して、やや男女の差が見られ、女性の方が大きな部屋を選ぶ傾向にあった。



問5の質問で「物件・部屋を選ぶ場合の条件について教えてください」の内訳で、部屋の広さを重視する割合は「女性(25%)<男性(30%)」であることがわかっている。



広さへのこだわりがないにも関わらず、実際は女性の方が大きな部屋を選ぶ理由として、推測的ではあるが、オートロックやバストイレ別、宅配ボックスなど安全面や衛生面でのこだわりが強いことから、結果的に部屋のグレードが上がりやすいのではないかと考察している。


「物件の周辺環境で重要だと思うものの上位3つを教えてください」という質問を次にした。



結果「スーパー」が周辺環境の要素として重要視されていることがわかった。使用頻度の高いコンビニではなく、スーパーが重要視されている点が意外な結果であるが、家賃を気にする点も前の項目で分かっていたことから、金銭面を気にする方が多いのだと推測できる。



求める周辺環境の回答には男女差もあり、女性は「治安の良さ」や「ドラッグストア」を選択する方が多く、男性は「飲食店」を選ぶ方が多かった。女性は「安全性が高いこと」や「生活品・美容品が買い求めやすいこと」、男性は「食の面倒がないこと(自炊をしない)」が各々の考える暮らしやすさにつながっているのだろう。


「部屋づくりやインテリアにはこだわる方ですか?」という質問をしたところ「まあまあこだわる」という回答が47%と最も多く集まった。



若者世代(Z世代)には「個性を大事にする」や「現実主義的である」といった特徴がある。そのため、徹底的にこだわる方や全くこだわらない方は少なく、「現実的に無理のない範囲で自己表現をする」という方が多いようだ。


男女別で見てみると、女性の方が「とてもこだわる・まあまあこだわる」と回答した方がやや多かったが、大差ないようだ。


「部屋づくりやインテリアで参考にしているものは?」という質問をした結果、大学生がインテリアに関する情報を収集する手段の大半はSNSであることがわかった。実店舗(12%)や雑誌(6%)を利用する方は少数である。


情報収集の媒体には男女で差があり、女性SNS、男性がWEBを利用する傾向が強かった。



SNSの場合は部屋のイメージや参考にしたい人を探す抽象的な方法であり、WEBの場合はノウハウや特定のアイテムについて調べる具体的な方法である。購入に至るまでのプロセスは男女で異なるのだと分析。



最後に「将来住んでみたい憧れの家は?」という質問をし、自由記載で回答してもらった。

○「タワマン」と「一軒家」



回答は意外にも「一軒家」と記載する方が多かった。フリーワードの回答にも関わらず、半数以上が一軒家と答えていた。「一軒家:マンション=273人:88人」



一軒家と回答した方は「庭付き」「縁側付きの平屋」「古民家」などを希望するケースが多かった。数十年前のマイホームブームから時代の流行はマンション→タワーマンションと変化してきたが、若年層世代はマイホームに一巡しつつあるのだろうと分析している。



タワマン回答者は「セキュリティ対策が万全な」「高層の」「プール付きの」「おしゃれでキラキラした」といった安全性やブルジョワジー・スタイリッシュな雰囲気を求める方が多かった。中には虫が苦手だから高層であることが好ましいといった変わった意見もあった。

○「都会」と「田舎」



都会派と田舎派は半々であり、意外な結果だった。コロナ禍を経て、リモートワークが浸透したことで、都会であることのメリットが薄れた結果、自然が豊かな場所で自分らしさを大切に暮らしたいと考える人が増えたのではないだろうか。



都会派の意見としては、「都会の安全な」「始発駅の」などが集まった。反対に、田舎派の意見としては「自然に囲まれた」「海が近い」「スイスの山のような」などの声があった。



また、田舎と回答した方の中には「田舎すぎない田舎」と記載する方もいた。落ち着きはあるが、不便さを感じたくはないという願望が伺える。

○こだわりの設備



そのほかこだわりの条件として以下のような意見も集まった。



・キッチンの広い



・防音性の高い



・本棚がたくさんある



・デザイナーズ



・バスケットコートのある



・温泉を引いた



キッチンは調理、防音性は楽器やゲーム、本棚は読書など、どれも趣味を充実させることを目的とした条件であることから、より自分らしく暮らしを充実させるための理想であることが考えられる。(井上智尋)