1コーナーでは3番グリッドのmuta Racing GR86 GT堤優威が2番グリッドのStudie BMW M4ブルーノ・スペングラーに襲いかかるが、ここはスペングラーがポジションを死守し、クラスポールポジションのLEON PYRAMID AMGはスタートドライバーの篠原拓朗がトップをキープしてレースを進めていく。
中団勢では埼玉トヨペットGB GR Supra GTが4ポジションアップで6番手に上がってくると、その活躍とほぼ同時となる7周目には心配されていた雨がコースに落ち始めてくる。雨は徐々に強くなっていき、各マシンのワイパーが動き始めると、12周目には雨粒がさらに大きくなってくる。
15周目には気温19度と変わらないものの、路面温度は25度に低下。その直後に土砂降りの雨がコースに降り始め、DOBOT Audi R8 LMSが1コーナーでコースアウトを喫するとフルコースイエロー(FCY)が導入される。それを見たチームはマシンをピットに呼び込むが、その後ピットレーンクローズとなり、ピットに入ることのできた車両と入ることのできなかった車両で明暗が分かれる展開に。
そんな一瞬の間に大混乱となったレースだが、なんと21周目に雨が弱まり、太陽が顔を出してくるというまさかの天候に。レースは23周目から再開を迎え、FCY中のピットインで10ポジションアップを果たしたPACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGを先頭に、LEON PYRAMID AMG、埼玉トヨペットGB GR Supra GTというトップ3でリスタートとなった。
再開後はPACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGのベテラン阪口良平の健闘むなしく、雨の予選で速さを速さを披露したブリヂストンタイヤ装着のLEON PYRAMID AMG、埼玉トヨペットGB GR Supra GTが次々とPACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGをオーバーテイクしていく。さらにその流れにmuta Racing GR86 GTも続き、ブリヂストン装着マシンがトップ3を占める展開に。
35周目にはK-tunes RC F GT3がいち早くスリックタイヤに交換するためにピットインすると、続く周回ではPONOS GAINER GT-R、シェイドレーシング GR86 GT、さらにSyntium LMcorsa GR Supra GT、SUBARU BRZ R&D SPORTもピットに入り、他メーカーに先駆けダンロップタイヤ勢がスリックでコースに出ていく。
その後15時35分に走行再開となり、雨が強くなったなかSC隊列でレースが動き出す。そのタイミングでピットレーンオープンが提示されると、両クラスとも多くのマシンがピットになだれ込む。GT300もほぼ全車がピット作業を行い順位が変動、FCYでのピットレーンクローズ直前にピットインを行い、SC導入で大幅に順位を上げ、赤旗前にクラストップに立ったUPGARAGE NSX GT3を先頭に、LEON PYRAMID AMG、HACHI-ICHI GR Supra GT、Yogibo NSX GT3、埼玉トヨペットGB GR Supra GTというトップ5で隊列が組まれることに。
レースは再開に向けてSC隊列が続いていたが、muta Racing GR86 GTの左リヤタイヤが外れてしまうアクシデントに加え、天候がさらに悪化したこともあり、60周目に再び赤旗が提示されてしまった。この時点で15時50分を過ぎており、今回のレース最大延長時間の16時30分が近づいてくる。
その後もSC先導のままレースは進んでいたが、雨量の増加もあり5分後に再度赤旗が提示。そのまま赤旗での終了が決定され、UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)がチームにとって5年ぶり、ホンダNSX GT3にマシンをチェンジしてからは初の優勝を飾る結果になった。さらに小林にとってはGT参戦100戦目、ルーキーの小出はGT300初レースでデビューウインを飾るメモリアルな勝利を遂げた。そして前日の公式予選からトップタイムを連発し、決勝序盤も首位を快走したがピットタイミングに泣いたLEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)が2位、3位にはこちらもピットストップのタイミングで大幅に順位を上げたHACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)が入る結果になっている。