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宮沢賢治、映画化で話題 「賢治」のユーモラスな部分に着目した『猫と笑いに銀河 宮沢賢治ユーモア童話選』発売決定

2023年04月15日 15:41  リアルサウンド

リアルサウンド

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 宮沢賢治の父である政次郎を主人公に小説家・門井慶喜が描いた、直木賞受賞作「銀河鉄道の父」を原作とした映画が2023年5月5日に公開される。監督は『八日目の蝉』『いのちの停車場』で知られる成島出、主演は役所広司、菅田将暉、森七菜らが出演し話題となっている。


 そんな中、宮沢賢治のポップカルチャーとしての側面に注目し、ユーモラスな観点から解説した『猫と笑いに銀河 宮沢賢治ユーモア童話選』が、2023年4月26日に株式会社blueprintより刊行される。


 誰もが知る童話の名作「銀河鉄道の夜」。思い切って原作に挑戦したものの、100年近く前のもので読みづらいし意味がわかりづらく難解で挫折した人も多いのではないだろうか。そんな挫折をなくし本来の作品の魅力を味わうために本書では、宮沢賢治のユーモラスな部分に着目。賢治研究会の編集長である大角修氏がユーモラスな部分にフォーカスをしわかりやすく解説をしているので、とても読みやすい内容だ。


 「宮沢賢治といえば「雨ニモマケズ」の印象が強いせいか、どこか暗いイメージを持つ方も多くいると思いますが実際には、ジョークが好きで、ほがらかな人だったようです。有名な童話「銀河鉄道の夜」にも、プリオシン海岸の化石掘りの大学士や、銀河の鳥捕りといったユニークな人物が登場します。また、アメリカのカントリーミュージックを作品に取り入れるなど、当時は先進的な試みをしていました」と大角修氏。


 本書を読み進めていくと宮沢賢治は、漫画やアニメ、音楽、映画や演劇、お笑いまでポップカルチャーに多大な影響を与えたことも見えてくる。猫やねずみといった動物、妖怪、人間をテーマにしたユーモラスでファンタジックな賢治文学を楽しんでいただくための傑作選だ。


(文=リアルサウンドブック編集部)