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DTM王者ゲーツ、グリッケンハウスからのWECデビューは困難か。スポンサー不足が障壁

2023年04月15日 13:10  AUTOSPORT web

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グリッケンハウス・レーシングの708号車グリッケンハウス007 LMH 2023年WEC第1戦セブリング1000マイル
 マキシミリアン・ゲーツは以前、グリッケンハウス・レーシングのドライバーラインアップに加わる可能性を指摘されたが、チームオーナーのジム・グリッケンハウスによると、スポンサー契約がないことを理由にゲーツがWEC世界耐久選手権の第3戦スパ6時間レースと第4戦ル・マン24時間レースでアメリカのチームに参加する可能性は低いという。

 2021年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権でシリーズチャンピオンを獲得したドイツ人は、開幕戦セブリング1000マイルにゲストとして参加し、グリッケンハウスのレースシートを獲得する可能性があると目されていた。

 しかし、それは実現せず。実際にはロマン・デュマ、ライアン・ブリスコー、オリビエ・プラというお馴染みのメンバーが708号車グリッケンハウス007 LMHをドライブした。

 708号車のドライバーラインアップは、直近に発表された第3戦スパのエントリーリストを見るとひとつの空きがある。現時点で決まっているのはデュマとプラのシートのみだ。

 グリッケンハウスはSportscar365の取材に対し、両者が以前から協力する意向を示していたにもかかわらず、ドイツ人ドライバーがふたつのイベントでチームに加わるかどうかは疑わしいと述べた。

「マキシ(マキシミリアン・ゲーツが3人目のドライバー)になる可能性は低いが、スポンサーを持ってくる他のドライバーになる可能性は非常に高い」とグリッケンハウスは語った。

「マキシがスポンサーを持ってこない限り、彼はチームに参加しない。(契約は)彼がスポンサーを連れてくることが前提なのだから」

「もしそうなれば、そうだ。つまり、フランク(・マイルー)やこれまで起用してきた人たちから(メンバー)を入れ替える理由はないんだ」

 ゲーツはオーストリアの水処理会社BWTのサポートを受ける可能性が高いとされているが、グリッケンハウスは両者の間で合意が成立していないことを明らかにした。

「今日の時点では、BWT社とのスポンサー契約は決まっておらず、それが実現しない限りマキシは関与しない」と同氏は説明している。

 グリッケンハウスは、ピポ・デラーニやリチャード・ウエストブルックなどがキャデラックのファクトリーLMDhプログラムに移籍しているにもかかわらず、2台体制で臨むル・マン24時間のラインアップを埋めるドライバーを見つけることに何の心配もないと付け加えた。

「非常に才能のあるドライバーはたくさんいて、彼らは皆レースに出たいと思っている」とグリッケンハウス。

「優れたドライバーを見つけることは問題ではない。たくさんいるからね。だが正直に言ってル・マンでは非常に優秀なドライバーが必要だ。とはいえスプリントレースではない。良いドライバーを揃えれば彼らは良いパフォーマンスを発揮するだろう」

「またル・マンでの成否は、クルマが安定して走るか、故障していないか、馬鹿げた間違いをしないか、といった要素が大きい」

■2022年は富士とバーレーンを欠場。今季は?

 グリッケンハウスはさらに、現在のヨーロッパでのイベント終了後にチームがシリーズに留まっているかは不明であり、今後のスポンサーの確保次第であると述べた。

 グリッケンハウス・レーシングは昨季2022年、日本の富士スピードウェイと中東のバーレーンで開催されたふたつ“フライアウェイ・イベント”を欠場した。

「目が覚めれば、毎日が新しい一日だ。私たちは(どうなるか)知らないだけだ」とグリッケンハウスは語る。

「悲観しているわけでも、楽観しているわけでもない。ただ、たくさんのボールが宙に浮いていて、そのうちのいくつかが着地することを望んでいる状況なんだ」

■ポルティマオで「より良い週末」を目指す

 グリッケンハウスの708号車は、2021年にWECデビューを果たした地であるポルティマオに、シーズン開幕戦でのイグニッションスイッチの問題によるリタイアを乗り越えて到着した。

 チームはセブリングで行われた開幕戦よりも良い結果を出したいと考えているが、グリッケンハウスはアルガルベ国際サーキットの性質上、いくつかの課題が残ることを強調した。

「クルマにいくつかの改良を行った」と述べたチームオーナーのグリッケンハウス。

「我々はより良い週末を迎えられると思う。ポルティマオはハイダウンフォースのサーキットだから、私たちにとってはとくに良いとは言えないがね」

「だが、次のスパは合っていると思うし、ル・マンも良いと思う。我々はそこに集中しているんだ」

「変化は進化的なものだった。ほとんどの場合、新しいタイヤに合わせてクルマをセットアップし、それを学習してより早く温度を上げるようにしている」

「良い仕事をしてきた。私たちはそれに満足している」

「クルマはセブリングで本来あるべき場所にあったが、もう大丈夫だ。だから私たちはそれを楽しみにしている」