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不動産のプロが教える!“理想の住まい”の叶え方 第2回 家を購入するなら○歳がおすすめ - 適齢期に購入するメリットは?

2023年04月15日 10:01  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
前回の記事では「家をいずれ購入するのであれば、早いに越したことはない」ことをお伝えしました。



では、具体的に何歳の時に購入するのがおすすめなのか、解説していこうと思います。


20代でも家は購入はできる



社会人になりたての方は、まだまだ家を買うという意識が薄いと思いますが、実は20代でも家を買うことはできます。



金融機関によって住宅ローンの審査基準は異なりますが、勤続年数が1~2年以上あれば審査を受け付けていただける金融機関が多くなります。



あとは、勤務先の会社の規模や年収、購入する物件の価格などによって、住宅ローンが組めるかどうか、いくらまで組めるのかなどの条件が変わってきます。

購入時期のおすすめは20代後半~30代前半



とはいえ、新卒社員の時はまだまだ年収が低いことが多いので、住宅ローンで借りられる金額も少なくなってしまいます。



会社にもよりますが、若いうちは頻繁に部署異動や転勤があったり、会社が合わなくて転職する可能性もあるかと思います。



社会人5~6年目になってくると仕事も安定してきて、年収も上がってくる頃ですし、結婚や出産など、家族構成にも変化が出てきて、徐々に将来の見通しが立ってくるかと思います。



そして社会人10年目を超えてくると、転職や起業をする方も多くなってくるかと思います。



転職や起業をしてしまうと、住宅ローンの審査が通りづらくなってしまうので、条件の悪いローンしか選べなかったり、希望する金額が借りられないといったリスクがでてきます。



いずれ住まいを購入する予定がある方は、転職や起業をする前に購入することが望ましいです。


転職の前に物件の「売買契約」を終わらせば良いかというと、そうではありません。



金融機関から実際にお金を借りる、物件の「決済日」の前に転職をしてしまうと、住宅ローンの審査に通っていても、決済当日に融資がされなくなってしまうリスクがありますので、転職をするのであれば、実際に物件の決済(お引き渡し)が終わった後にしましょう。


一度でも大きな病気をしてしまうと、住宅ローンが組みづらくなってしまうリスクがあり、家を買いたくても買えないといった状況に陥ってしまう可能性があります。



また、住宅ローンは基本的に最長35年で組まれる方が多いですが、完済時の年齢は80歳までという金融機関が多くなります。



45歳までであれば、最長35年のローンが組める可能性がありますが、45歳を過ぎると、年々住宅ローンが組める期間が短くなり、それに伴って、毎月のローンの返済額も高額になっていってしまいます。



収入に占める住宅ローン返済額の割合が高くなるので、借りられる金額も減ってしまい、希望の金額が借りられなくなってしまう可能性もあります。



上記の理由から、初めて家を買うのは20代後半~30代前半頃がおすすめということがお分かりいただけたかと思います。


実際に筆者である私も、社会人4年目、26歳の時に初めてのマンションを住宅ローンを組んで購入しました。


若いうちに住まいを購入するメリット



若いうちに住まいを購入するメリットはほかにもあります。

○◎コストが資産に変わる



毎月支払っている家賃は1円たりとも"資産"にはならない"コスト"です。

住まいを購入すると、毎月、住宅ローンの返済が必要になりますが、住宅ローンの返済は金利分をのぞいて"資産"になっていきます。



仮に毎月の家賃が10万円だとして、年間120万円、10年間で1,200万円ものコストを払うのであれば、その1,200万円を住まい購入に充てた方が、資産形成においては有効といえます。

○◎買い替えの計画が立てやすい



20代で住まいを購入したとしても、60年や70年、同じ家に住み続ける可能性は実は非常に低いです。



多くの方が住まいを買い替えることになるのですが、例えば20代後半で住まいを購入して、子供たちが独立したころ、50歳で住まいを買い替えることになったとすると、その頃には住宅ローンの残債もかなり減っていますし、その住まいを売却すれば、次の住まいの頭金を用意することができます。



50歳であれば、まだまだ新たに住宅ローンを組むことができます。



もしこれまでに繰り上げ返済などを頑張ってきて、すでに住宅ローンを完済し終わっていれば、そのままその住まいを賃貸に出して、毎月の賃貸収入を得ることだってできます。



これが例えば40歳の時に初めて家を購入したとなると、仮に60歳の時に家を買い替えようと思っても、その時には現実的に新たな住宅ローンを組むことが難しくなってしまいます。



もちろん買い替えずにずっと住み続けるというケースもあると思いますが、仮に25歳の時に35年のローンを組んだとすると、60歳の時に完済することができます。



今の時代、60歳だとまだまだ働いている可能性が高いですし、その後は家賃がかからないので、余裕をもったライフプランを描くことができます。

まとめ


いずれ住まいを購入するのであれば、20代後半~30代前半のころに購入するのがおすすめです。



しかしながら、住まいを購入することは良いことばかりではありません。住まいの購入にはデメリットもあるということを覚えておかなければなりません。



例えば何らかの事情で住宅ローンの返済が難しくなってしまったり、資産価値が維持しづらい物件を購入してしまって、売却価格が住宅ローンの残債を大きく下回ってしまうといったリスクもあります。



購入時には保険に入るとはいえ、大きな地震や火災が起きるリスクも考えなければなりません。



また、住まいに対する価値観も年齢とともに変わっていくでしょう。



私が初めて購入したのは、東京の湾岸エリアに建つ新築のタワーマンションでしたが、歳を重ねるごとに低層の落ち着いたヴィンテージマンションへの憧れが強くなり、築35年のヴィンテージマンションに買い替えました。



住まいを購入する時には資産価値だけではなく、日々楽しく、快適に暮らせる家を選ぶべきですが、将来的に住み替える可能性もしっかりと視野に入れて選ぶようにすると良いでしょう。



足立 淳 あだちじゅん 東京・恵比寿にある小さな不動産会社「サムタイムズ」代表。日々、お客様の上質な中古物件探しと信頼できるリフォーム会社の紹介を行っている。これまでに延べ1,000組以上のお客様の住まい探しをサポート。自身でも築35年のヴィンテージマンションをリノベし、家族4人で暮らしている。北欧ヴィンテージ家具と観葉植物をこよなく愛する。 この著者の記事一覧はこちら(足立 淳)