LVMHがデニムメーカーのクロキとパートナーシップ締結　日本の企業では初

　LVMHグループのLVMH メティエ ダールが、デニム生地メーカーのクロキとパートナーシップを締結した。同社が日本の企業と提携するのは初めて。今回のパートナーシップ締結に伴い、日本の優れたクラフトマンシップの継承と発展を目的とした取り組みを本格始動するという。

　LVMH メティエ ダールは、牧畜やなめし加工、金属加工、繊維やファブリック生産など、ものづくり産業における事業の成長と活性化のための取り組みを行う企業として2015年に設立。ラグジュアリー製品の製作に必要不可欠な技術とサヴォワールフェールの継承を目的に、さまざまな産業で最高峰の技術を誇る企業との提携や投資を行っている。
　クロキは、1950年に岡山県井原市で前身となる黒木織布を創業し、1960年代にデニムの製造・販売をスタート。現在に至るまで、創業地の岡山県井原市を拠点に、染色・織布・整理加工を自社で一貫して行う高品質のデニム素材と製品を生産している。
　今回のパートナーシップは、伝統ある技術と最新技術を融合しながらデニムの開発を続けるクロキのクラフトマンシップが、LVMHメティエ ダールの掲げる「イノベーションと伝統の継承」「高品質かつ持続可能な製品づくり」を体現していることから、実現に至った。今後は、日本のデニムが唯一無二の存在であるという共通認識のもと、より高品質の素材づくりを行い、デニム生産の活性化と発展を目指すという。
　パートナーシップ締結に際し、クロキの黒木立志代表取締役社長は、「日本における初のパートナー マニファクチャーとして、LVMHメティエ ダールのコミュニティに参画するオファーをいただき心から光栄に思います。同時に真摯にものづくりに取り組んできた私たちの思いが届いたことに大きな喜びを感じています。このパートナーシップを通じて、メイド・イン・ジャパンの高いクオリティと魅力がさらに世界に向けて発信されることを期待しています」とコメント。
　LVMH メティエ ダールのCEOを務めるマッテオ･デ･ローサ氏は、「このパートナーシップは、LVMHグループと所属するブランドが築いてきた日本との強い絆をさらに強化するものであり、多くの比類ない伝統的な職人技を誇る日本において、私たちの新たな物語の第一章をともに描くことを楽しみにしています。デニムという魅力的なテキスタイル素材におけるクロキの技術力と創造力が、私たちのクラフツマンシップの創造性と先駆的な取り組みを育むとともに、LVMH メティエ ダールのマニュファクチャーや職人たちのコミュニティに多くのシナジーをもたらすと確信しています」と話した。