Text by CINRA編集部
映画『山女』の公開日が6月30日に決定。監督、キャストからコメントが到着した。
柳田國男『遠野物語』から着想を得た同作は、大飢饉に襲われた18世紀末の東北の村を舞台に、過酷な運命に翻弄されながらも逞しく生きる女性の姿を描いた作品。盗みを働いた父・伊兵衛の罪を被り、自ら村を去った凛は禁じられた山奥へと足を踏み入れるが、そこで伝説の存在として恐れられる「山男」と出会うというあらすじだ。
主人公・凛役に山田杏奈、「山男」役に森山未來、伊兵衛役に永瀬正敏がキャスティング。共演者に二ノ宮隆太郎、三浦透子、山中崇、川瀬陽太、赤堀雅秋、白川和子、品川徹、でんでんらが名を連ねる。
監督・脚本は『リベリアの白い血』『アイヌモシリ』などの福永壮志。共同脚本は現在放送中のNHK連続テレビ小説『らんまん』の長田育恵が手掛けた。
【山田杏奈のコメント】
ひとり分の人生を生ききったような疲労感と達成感のある撮影期間でした。
彼女を取り巻く環境、人びと、それぞれの生きる強さに打たれながら演じていました。
森の中のしんとした空気に匂い立つ青臭さ、静かながら力強い映像から伝わることを願ってます。
これからより多くの方に見ていただけると思うととても楽しみです!
【森山未來のコメント】
これまでにも人非ざる存在を舞台、映像などで演じてきたが、今回も成り立ちの諸説ある大それた役柄を映像に落とし込むべく、福永さんとディスカッションを重ね、山の神秘に助力を請いながら、大いに楽しませていただいた。
遠野物語を原典としている「山女」。
映画館に訪れる方々は、この物語をあくまで遠い昔の民話だとして鑑賞されるのだろうか。
【永瀬正敏のコメント】
今でも山形での撮影の日々を思い出すと
熱いものが込み上げてきます。
現場スタッフの皆さんの卓越した技と思い
山田杏奈さんの佇まいと瞳が
僕にとっての道標であった気がします。
【福永壮志監督のコメント】
「山女」を劇場公開できることをとても嬉しく思います。
この映画で何より描きたかったのは逞しく生きる人間の姿です。
主人公の凛をはじめ、登場人物それぞれが葛藤を抱えながらも必死に生きています。
自分の居場所を求めて、逆境の中を進み続ける凛の姿を通して、観た人の心に何かを残せることを願います。
©YAMAONNA FILM COMMITTEE