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2023年のフォーミュラ・リージョナルが開幕。平木湧也、澤龍之介、小川颯太が優勝分ける接戦に

2023年04月11日 18:40  AUTOSPORT web

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FRJ開幕富士大会を終えてポイントリーダーとなった小川颯太(Bionic Jack Racing)
 2023年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の開幕戦となる富士大会(第1戦~第3戦)が4月1~2日に富士スピードウェイで開催され、平木湧也(HELM MOTORSPORTS)、澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)、小川颯太(Bionic Jack Racing)の3名が優勝を分け合う接戦となった。

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 2020年の初開催から4年目を迎えたFRJ。今大会には全マスタークラス4台を含む9台がエントリーを果たした。昨年のスーパー耐久ST-XクラスのチャンピオンチームでもあるHELM MOTORSPORTSが新規参戦したほか、昨年のカストロール・トヨタ・フォーミュラ・リージョナル・オセアニアでランキング4位となったリアム・シーツ(SUTEKINA RACING TEAM)が参戦し、昨年とはまた違った顔ぶれが顔をそろえた。

 4月1日に行われた公式予選ではいずれも小川がトップタイムをマークし、第1戦~第3戦のポールポジションを獲得。また、マスタークラスでも辻子依旦(PONOS RACING)が3戦ともにクラス最上位グリッドを獲得した。

■第1戦/ファイナルラップの逆転劇で平木湧也が初優勝

 1日13時10分より行われた15周の第1戦決勝。スタートで抜群の蹴り出しを見せたのはフロントロウ2番グリッドスタートの平木だった。小川からTGRコーナーのホールショットを奪うことに成功。2番手小川以下、岩澤優吾(Bionic Jack Racing)、シーツが追う展開に。一方、久々のFRJ参戦となった澤龍之介だったが5番グリッドスタートから痛恨のエンジンストールを喫し、8番手まで後退する。

 平木、小川の2台は後続を引き離し首位争いを展開。レースも3分の1が経過した6周目のTGRコーナーで小川が勝負に出る。ここでポールシッター小川が首位に返り咲く。

 その後も首位2台は接戦を続けるが、残り2周となった14周目、小川の眼前に周回遅れが現れた。この周回遅れをかわす際に平木がスパート。小川との間合いを一気に縮め、両者はサイド・バイ・サイドのバトルに。

 そうして迎えたファイナルラップのTGRコーナーでアウトサイドにマシンを振った平木が、TGRコーナー立ち上がりで小川のインに入り、再びトップに浮上。そのままチェッカーを受けた平木がFRJ初優勝を飾った。2位に小川、そして3位にはスタート失敗から追い上げを見せた澤が続いた。マスタークラスは総合6位に入った辻子がクラス優勝を飾った。

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第1戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
Pos.No.ClassDriverTeamLaps/Gap162平木湧也HELM MOTORSPORTS15Laps298小川颯太Bionic Jack Racing0.20733澤龍之介SUTEKINA RACING TEAM9.736427L.シーツSUTEKINA RACING TEAM11.224597岩澤優吾Bionic Jack Racing19.329645M辻子依旦PONOS RACING1'10.097718MYUKINILZZ Racing1'10.609823MYUGON-SPEED1'12.98092M林雅弘TeamKRM1Lap天候:晴れ 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:13時13分20秒
フィニッシュ時刻:13時38分10秒917
ファステストラップ:
1分38秒630(12/15) 166.550km/h  #62 平木湧也(HELM MOTORSPORTS)
M:1分42秒387(15/15) 160.438km/h  #23 YUGO(N-SPEED)


■第2戦/澤龍之介がペナルティを跳ね除け勝利を掴む

 続いて第2戦決勝は翌2日の午前に行われた。曇り空のもと、午前9時30分にフォーメーションラップを迎えたが、その際、2番グリッドスタートの澤が出遅れてしまう。1周のフォーメーションラップのあと、澤は本来のスタート位置だった2番グリッドにマシンを戻し、レーススタートを迎えた。

 ポールシッター小川が抜群の蹴り出しを見せるも、TGRコーナーのブレーキングでフロントタイヤをロックさせオーバーラン。その隙に澤が首位に浮上し、平木、岩澤優吾(Bionic Jack Racing)が先行。小川は4番手にポジションを下げてしまう。

 ただ、小川はオープニングラップのアドバンコーナーで3番手に、さらに2周目のダンロップコーナーで2番手にポジションを戻すが、その時点ですでに澤は3秒以上リードを築いていた。

 レース中盤も単独走行を続けた澤の優勝は安泰かと思われたが、そんな澤に対しスタート手順違反により、5秒のタイムペナルティが与えられることに。これで澤は残り少ない周回数で2番手に5秒以上のリードを築くべく、猛プッシュを見せる。

 13周目には1分38秒104のファステストを更新するなど、好タイムを刻み続けた澤は、2番手に5.698秒のリードを築きチェッカーを受け、今季初、FRJとしては約1年ぶりの勝利を飾った。2位に小川、3位に平木が続いた。マスタークラスは総合5位に入った辻子が連勝を飾っている。

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第2戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
Pos.No.ClassDriverTeamTime/Gap13澤龍之介SUTEKINA RACING TEAM15Laps298小川颯太Bionic Jack Racing0.698362平木湧也HELM MOTORSPORTS9.674497岩澤優吾Bionic Jack Racing18.808545M辻子依旦PONOS RACING1'09.670623MYUGON-SPEED1Lap72M林雅弘TeamKRM1Lap818MYUKINILZZ Racing2Laps27L.シーツSUTEKINA RACING TEAM13Laps天候:曇り 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:9時33分13秒
フィニッシュ時刻:9時57分59秒560
ファステストラップ:
1分38秒104(13/15) 167.443km/h  #3 澤龍之介(SUTEKINA RACING TEAM)
M:1分41秒690(11/13) 161.538km/h  #18 YUKI(NILZZ Racing)
ペナルティ:
CarNo.3は、シリーズ規則第31条6.(スタート手順)違反により、タイムペナルティ5秒を課す。


■第3戦/小川颯太がランキング首位浮上

 2日午後、富士大会最終レースとなる第3戦が行われた。3戦ともポールポジションを獲得した小川にとってはなんとしてでもスタートを決め、トップのままチェッカーを受けたいところ。そんななか、3番グリッドから好スタートを決めたのは小川のチームメイトの岩澤だった。

 ただ、小川は首位を守り切り、TGRコーナーを立ち上がることに成功。小川、岩澤、平木、澤のオーダーでグリーンファイト100Rを迎えたが、ここで澤が平木をパスし3番手に浮上する。小川が徐々にリードを広げるなか、岩澤、澤、平木の2番手争いは白熱する。

 8周目、澤が岩澤を捕らえて2位に浮上。続いてトップの小川を追うも、その時点でギャップは3秒に広がっており、なかなか縮めることが叶わない。

 そんななか、小川はファイラルラップの1分37秒877のファステストを更新する走りで、トップチェッカーを受け、今季初優勝をポール・トゥ・ウインで飾った。

 2位に澤、3位に平木が続き、3名が週末の3戦の勝利を分け合うかたちとなった。マスタークラスは総合6位でチェッカーを受けたYUKI(NILZZ Racing)が制している。

 開幕富士大会を終えた時点で小川が61ポイントを獲得しドライバーズランキングをリード。ランキング2位に58ポイント獲得の澤、ランキング3位に55ポイント獲得の平木が続いている。

 マスタークラスでは富士で2勝を決めた辻子がランキング2位のYUKIに13ポイント差を築いてランキングトップを守っている。

 全6大会16戦が開催される2023年のFRJ。次戦は5月13~14日に三重県の鈴鹿サーキットで開催される。

・2023年フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第3戦富士スピードウェイ 決勝正式結果
Pos.No.ClassDriverTeamTime/Gap198小川颯太Bionic Jack Racing15Laps23澤龍之介SUTEKINA RACING TEAM3.056362平木湧也HELM MOTORSPORTS6.575497岩澤優吾Bionic Jack Racing7.571527L.シーツSUTEKINA RACING TEAM7.816618MYUKINILZZ Racing1'12.487745M辻子依旦PONOS RACING1'21.168823MYUGON-SPEED1'52.08792M林雅弘TeamKRM1Lap天候:曇り 路面:ドライ
規定周回数:11周
スタート時刻:13時53分15秒
フィニッシュ時刻:14時17分51秒288
ファステストラップ:
1分37秒877(15/15) 167.831km/h  #98 小川颯太(Bionic Jack Racing)
M:1分41秒724(13/15) 161.484km/h  #18 YUKI(NILZZ Racing)