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中国から来た電気自動車「ATTO3」の購入者はどんな人? 納車式に行ってきた

2023年04月11日 11:41  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
2023年1月31日に日本国内での正式販売が始まった中国・BYDの電気自動車(EV)「ATTO3」。どんな人が購入しているのか気になったので、神奈川県横浜市の「BYD AUTO 東名横浜」で行われた納車式を取材してきた。クルマを受け取ったのはゲーム会社勤務のオオタさんという男性だ。


○「ATTO3」を気に入った理由は?



まず、ATTO3の受注状況はどうなのか。BYD AUTO 東名横浜の岡本二久社長はこう語る。



「1月末の発売から約2カ月で48台の受注がありました。来店者数はおよそ200名で、そこから48台の受注ですから、たった1車種での実績としてBYDに対する反響の大きさに驚いています。すごいことです。この先、『ドルフィン』(BYDの小型EV)などの導入予定もありますので、準備中の店舗を含め2店舗体制となっても、お客様対応が忙しくなるのではないかと思っています」


これまでEVを経験していなかった消費者からのBYDに対する注目度や評価は、かなり高いようだ。岡本社長によると、ATTO3購入者のうち約8割がEVあるいはプラグインハイブリッド車(PHEV)以外からの乗り換えであり、年齢層は「20~40代が約半数で残りは50代以上、中には80代の方もいらっしゃいます」とのこと。来店者からは「オール電化住宅に住んでいるのでクルマもEVにしたい」とか「自宅を購入したのでEVが欲しい」との声を聞くという。



今回の納車式でいよいよ愛車を手にすることになった千葉県在住のオオタさんは、奥様と子供の3人家族。職業はゲーム会社の社員だ。ご本人と話ができたので、気になることをいろいろと聞いてみた。


――ATTO3購入のきっかけは?

オオタさん:もともとEVは気になっていて、いろいろと調べているうちに自然にEVが目に入るようになってきました。そして昨年、横浜の赤レンガ倉庫で開催されたBYDの試乗会でATTO3に乗りました。中国メーカーのクルマは初めてでしたから「粗いつくりかもしれない」と初めは思っていたのですが、その懸念が払拭されました。乗り心地がよく、運転もしやすいです。



――これまで乗っていたクルマは?



オオタさん:5年前からクルマに乗るようになりました。前のクルマはハイブリッドのコンパクト車で、ATTO3は3台目です。クルマの購入については妻との取り決めがあって、「一家に一台」が前提なので、2人で運転できる車種であることが大事でした。ATTO3のほかにもテスラ「モデル3」や日産自動車「サクラ」を検討しました。私個人としてはモデル3が気に入っていましたが、妻も運転できる「トンガリすぎていない」車種ということで、ATTO3に決めました。EVは維持費も安くあがりそうなので、いいことずくめではないかと思っています。



――ATTO3で特に気に入っている点は?



オオタさん:ガシェットが好きなので、ナビゲーション画面でいろいろ操作できるところが気に入っています。モデル3もそうですね。あとは、試乗したときに外観がカッコいいと思いました。それでいて、トンガリ過ぎていない。ファミリーカーとして見たとき、最適な1台だと思いました。購入し、こうして自分のクルマとして見ると、いっそうカッコいいと思います。車体色は、画像などを見るとテーマカラーの印象があったので青を選びました。


――充電環境のことや一充電走行距離などは気になりましたか?



オオタさん:戸建て住宅なので普通充電器を取り付けることができます。仕事柄、在宅ワークでもあり、日常的にクルマを使うのは子供の送り迎えや買い物くらいで、それほど走行距離は多くありません。



週末の余暇や、妻の実家が青森なので帰省の際にはクルマで長距離移動します。青森への移動は、子供が小さいので、前のクルマでも休み休み走りましたから、EVなら休憩のときに急速充電すればいいと思っています。これまでのハイブリッド車と同じような移動の仕方になるのではないでしょうか。長距離移動での充電は心配していません。



――ATTO3でまずどこへ出かけたいですか?



オオタさん:オートキャンプ場へ行って、外部電源を使って楽しむようなことをしてみたいですね。これまでのクルマではできなかったことです。



御堀直嗣 みほりなおつぐ 1955年東京都出身。玉川大学工学部機械工学科を卒業後、「FL500」「FJ1600」などのレース参戦を経て、モータージャーナリストに。自動車の技術面から社会との関わりまで、幅広く執筆している。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。電気自動車の普及を考える市民団体「日本EVクラブ」副代表を務める。著書に「スバル デザイン」「マツダスカイアクティブエンジンの開発」など。 この著者の記事一覧はこちら(御堀直嗣)