トップへ

「先頭車両は急に加速してピットインした」「ジャッキが下りず」「最初はハズレセットだと思った」【SF Mix Voices 第2戦(2)】

2023年04月10日 18:50  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

2023スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦富士 リアム・ローソン(TEAM MUGEN)
 全日本スーパーフォーミュラ選手権は4月9日、静岡県の富士スピードウェイで2023年第2戦の予選・決勝が行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が今季初優勝を飾った。

 決勝後、全ドライバーが参加して行われる取材セッション“ミックスゾーン”から、予選と決勝を戦い終えたドライバーたちの声を2回に分けてお届けする(前編はこちら)。

■ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM’S) 予選19番手/決勝リタイア

 第1戦における福住仁嶺(ThreeBond Racing)との接触行為で、第2戦では4グリッド降格のペナルティを受けたアレジ。21番手からスタートし、徐々にポジションを上げていった。

 8周目に太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)をアウトから抜こうとしたのだが、TGR(1)コーナーでわずかに接触し、アレジがスピン。セーフティカー(SC)導入の原因となり、そのままリタイアとなってしまった。

「今日は残念でした。予選ではGRスープラコーナーでミスをしてトラックリミットをとられてしまいました。決勝スタートして、ちょっとずつペースアップできていましたけど、太田選手と1コーナーでヒットしてしまってスピン。リタイアとなりました」とアレジ。頑張って笑顔は作っていたものの、「チームがあんなに頑張ってクルマを直してくれたから、ポイントまで行きたかったです」と、悔しさが滲み出ていた。

「まったく望まないシーズンスタートの仕方となってしまいましたが、次の鈴鹿に向けて、もっと改善できるとこを見つけて、一生懸命に勉強して、鈴鹿ではポイントゲットして、できれば表彰台を獲得できるように頑張ります」

■大嶋和也(docomo business ROOKIE) 予選18番手/決勝11位
 2022年シーズン、ノーポイントと苦しんだ大嶋。今季は監督に旧知の仲である石浦宏明を迎えるなどチーム体制面を強化し臨み、第1戦では予選15番手から順位を上げて9位フィニッシュ、2ポイント獲得という幸先のいいスタートを切った。

 第2戦は予選18番手(グリッドは17番手)からスタートした決勝では順位を上げたものの、入賞には届かず11位でフィニッシュ。聞けば、いつもは迅速なピット作業で、大きなロスがあったそうだ。SC導入中で、ほぼ全車同時のピット作業となったことも影響していたという。

「2日連続、ピット作業でだいぶロスしましたね。昨日は右フロントで10秒ロス、今日はジャッキが下りなかった。しかも、ジャッキが下りてからも後続(の車両)が来ていたのでスタートできまなくて……あの、全員が一斉に入ったときの5~6秒って、まぁ大きいですからね」

「(本来なら小林)可夢偉の後ろか、(福住)仁嶺のあたりに出られていたはず」という大嶋は、これで14番手へと順位を落としてしまった(このとき、見た目上で福住が10番手、可夢偉が11番手)。

 悔やまれる結果とはなったものの、大嶋は新型車両SF23には良い手応えを感じているようだ。

「車のできはよかったです。最後は(1分)24秒6が出せましたし、まぁまぁ上位と変わらないペースで走れました。クルマは昨日よりもかなり改善されました」

「今日の予選までは、比較的去年の富士でのクルマに近い状態で走っていたのですが、去年から続いているフロントのグリップが低い傾向はあり、決勝に向けては思い切って変えてみたところ、それがいい方向にいきました。テストもできていないのでまだバランスは取れていないですが、いきなり(セットを)変えただけで上位陣と同じペースになったので、今回試せたのは大きかったと思います」

■宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S) 予選2番手/決勝4位

 昨年の最終大会から4戦連続となる2番グリッドからスタートした宮田だが、スタートで3番手に下がると、前半はペースが上がらず、ポジションを落としていく展開となった。

「決勝でのペースを良くするために昨日のセットからガラッと変えたのですが、序盤はけっこうキツかったです。スタートしてからSCが入るまでキツかったですし、SC明けもペースをあげることができなくて『これはハズレセットだな』と思ったんですけど、残り12~13周になったら、結構良いバランスが見つかりました」という。

 その言葉どおり、レース後半になると1分24秒台を安定して刻み、最終的に4位でチェッカーを受けることに。

「今まではスティントの最初からプッシュしていくと、後半でキツくなっていたところがありました。今回は最初プッシュすると乗りづらいところがありましたけど、後半に入ってプッシュし続けていても、めちゃくちゃ速く走れました。けっこう良いセットが見つかったので、『良いテストになった』という感じ。次戦以降が楽しみになりました」

■リアム・ローソン(TEAM MUGEN) 予選4番手/決勝5位

 第1戦では鮮烈なデビューウインを飾ったローソン。第2戦は予選4番手からスタートし、最初はポジションを落としてしまったが、しっかりとトップ集団に喰らいつく走りをみせていた。

 しかし、SC導入中にほぼ全車がピットインする際、ローソンはピットロード入口手前のコース上で前車との間隔を開けすぎてしまったことで、5秒のタイムペナルティを受けた。

「前方のクルマとはある程度の間隔(5車身以内)というのは知っていたから、僕は前のクルマに対して、少しギャップを持っておこうとは思ったけど、トップにいたクルマは、最初はゆっくり走っていたのに急に加速してピットに入っていった」とローソン。ペナルティが出たことに対しては少々納得がいっていない様子だったが、「ポジティブに捉えるなら、今日もペースは良かった」と、すぐに気持ちを切り替えていた。

 初めてのスーパーフォーミュラ開幕大会を終えて、最初は戸惑うことばかりだったというローソンだが「OTSの使い方もそうだし、いろいろなことが僕にとっては初めての経験となる週末だった。最初は混乱しそうになっていたけど、今はスムーズに進められるようになっていると思う。このままチャンピオン争いに絡めるようにシーズンを戦っていきたい」と自信も見せる。

「いずれにしても、良いシーズンスタートを切ることができたし、予想以上のデキだったと言えるかもしれない。次の鈴鹿はすでにテストしているコースだから、すごく楽しみだ」と、すでに鈴鹿大会に照準を合わせていた。