isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2023年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週の星座占いを全文読みたい方はこちらをタップ 今週のおひつじ座の運勢illustration by ニシイズミユカ
あえて道理を弁える
今週のおひつじ座は、普通の1日においてこそ「非を知り、過を改め」ようとするような星回り。
現代では因果応報は古い考えとして、省みられなくなりつつありますが、昭和の時代、安岡正篤は『陰騭録(いんしつろく)』という古典を通して、自己を超えた絶対者の意志を畏れ自己の行動を慎しむという陰騭思想は、現代においてこそより一層大切にされるべき思想であると述べていました。
現代では自分の過ちさえ認められないにも関わらず、なぜか他人ばかり救いたがる人間が余りに多いように感じられます。
あなたもまた、うかうかと享楽に過ごして時間を無駄にしてしまうのではなく、天啓を習熟玩味して勉めてこれを実行していくべし。
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花吹雪の下で
今週のおうし座は、生と死はどこまでも隣り合っているものなのだと、改めて実感していくような星回り。
『散るさくら残るさくらも散るさくら』(良寛)という句のごとし。
いつも子供らと無邪気に遊んでいたという良寛和尚の「辞世の句」といわれている一句。今まさにみずからの命が尽きようとしているその時に、たとえ仮にこれ以上生き永らえたとて、それもまた散りゆく命に変わりはないのだ言っているのです。
あなたもまた、やがて散りゆくさくらのひと房となったつもりで、自身に残されたいのちの重みをはかり直してみるといいでしょう。
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あべこべの道行き
今週のふたご座は、決定的に何かが死んで終わっていく時代と、自分なりの仕方で居合わせていこうとするような星回り。
現代というのは、多くの人々が自壊していく時代と言えるのではないでしょうか。単に、生というものがそれを決定づける構造というものを失って、日々が単なる事実の集積に変わり、支えを失い、内部と外部の差異も消えて、その身を支えられなくなってしまったように思います。
「ぼろぼろ」というオノマトペには、そんな刀折れ矢尽き果てるどころか、行使できるだけの手段や選択肢さえほとんどなくなって、「絶望」がデフォルトになったところでやっと口元をわずかに動かして出す、吐息のごとき声色が似つかわしいはず。
あなたもまた、改めてそうした時代精神と不思議と同期していくことになるかも知れません。
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馬脚をあらわす
今週のかに座は、一周まわった素直さを発揮していこうとするような星回り。
『鏡立てて春愁に坐すや燕(つばくらめ)』(木村子瓢)という句のごとし。考えてみれば、女が化粧をするのは単にしわやくすみを誤魔化するためというより、男を不安にさせる憂いを隠したり、いっときでも忘れるためとも言えるかも知れない。
作者はそうした女がしたたかに生きていくための術にリスペクトを払っているからこそ、時おり見せるその素顔に深い共感や愛着を寄せているのでしょう。
あなたもまた、何かを誤魔化すためではなく、素顔を差し出すための術もまたきちんと身につけていきたいところです。
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顔の風通しのよしあし
今週のしし座は、「一人前であること」の定義を書き換えていこうとするような星回り。
かつては「四十になったら、自分の顔に責任を持て」とよく言われてたものでした。哲学者のレヴィナスは「顔はおよそ正直なものだが無防備であり、慎み深い露出を行っている、本質的に<貧しい>ものである」(『倫理と無限』)と述べていましたが、ここで言われている貧しさとは、<傷つきやすさ>と言い換えてもいいでしょう。
ただし、私たちはふだんそうした素顔を、他者から意味付けられる肩書きや役割を使って覆い隠しており、場面ごとに使い分けられる仮面と素顔とを癒着させてしまっているようにも感じます。
今週のしし座においては、ある意味で、そうしたみずからの貧しさや傷つきやすさを露出させていく、できるだけの開き直りこそが求められているのだと言えるでしょう。
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それ自体を超えてゆけ
今週のおとめ座は、自分の精神生活に不可欠な“痛み”を研ぎ澄ましていこうとするような星回り。
『針のとぶレコード川のあざみかな』(あざ蓉子)という句のごとし。レコードが針飛びしたときの「ブツッ」という音と、何とも言えない不安と悲しみ。それを掲句では、あざみのトゲに触ったときの鋭い痛みに重ねて照応させています。
これは逆に言えば、自分の部屋でレコードを聴いている作者の精神にとって、あざみのトゲの感覚はそれだけ必要不可欠なものだったのかも知れません。
あなたもまた、惰性で日常を右から左にただ流していく代わりに、何気なく鋭いツッコミや批評精神を発揮していきたいところです。
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理性を立てる
今週のてんびん座は、「これくらいやって当然」といった世間の同調圧力から、軽やかに距離をおいていこうとするような星回り。
この世の無常と草庵での簡素な暮らしについて綴った鴨長明の『方丈記』は、中世を代表する随筆として、何より「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」という冒頭の書きだしと共に知られています。しかし長明の生きた時代は、泥棒をしなければ生き抜くことのできない、あるいは人を傷つけなければ生きられなかった恐るべき生活難の時代でした。
つまり、「無常」というのは観念の遊びでも何でもなく、実際的な問題としてその時代に生きる者にすべからく突き付けられていた、ありのままの現実だったのです。
あなたもまた、どうしたら狂って当然の今の世の中にあって、あるべき人間の姿を保っていけるかを追求していくべし。
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さりげなく、とてつもない
今週のさそり座は、自分にどこまでも正直になっていこうとするような星回り。
『巻貝の渦を数へて春の風邪』(大木あまり)という句のごとし。深刻な病状ではなく、何をするのでもない風邪の日の気怠さをさりげなく表出している。人間は何もするなと言われても、必ず何かせずにはいられない生きものであり、さりとて意義のあることを全力で行えるほどつねに体調や気力が充実している訳ではない。
むしろ、ここでは「巻貝」という自然のうつくしい造形物の力を借りることで、呼吸をととのえ、少しでも英気を養っているのでしょう。
あなたもまた、できるだけ呼吸や気力を養っていくのにちょうどよいものに手を伸ばしていくべし。
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異なるリアリティを行き来する自由
今週のいて座は、SNSという「血の池地獄」の“外”へこっそり抜け出していくような星回り。
「自己承認欲求」という言葉をよく聞くようになった、と橋本治が書いていたのは2017年になったばかりの頃のエッセイでした。自己承認欲求というのがここまで広がっているのは、いつの間にか人として一人前になるためには誰かに認められなければならないということになっているのであって、橋本はそうすると、誰がそうした承認欲求を満たしてくれるんだろうか、と畳みかけます。
一方で、橋本は「世の中って、そんなに人のことを認めてなんかくれないよ」と漏らし、「自己承認欲求というのは平和がもたらした贅沢な産物」であり、もう自分は一人前の大人なんだ、という明確な自覚をそれ以外の方法で持てなくなってしまった人がかかる、現代病なのだと釘を刺します。
あなたもまた、そうした自己承認欲求を煽る構造の外部へと、何でもないようにひとり歩いていけるかどうかが問われていくことでしょう。
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複雑な色調を生きる
今週のやぎ座は、みずからの人生をシンプルにまとめあげていこうとするような星回り。
『吾(あ)も春の野に下り立てば紫に』(星野立子)という句のごとし。
句の紫は、非日常へのとば口の紫であると同時に、紫の着物を愛用しそれを普段から身にまとっている者の日常の紫でもあり、また単に視覚的な色彩というより、春の野全体から匂い立つような心理的な色調でもあり、そうして何重にも重ねられた紫が立体的に作者を包みこんでいるように感じられます。
あなたもまた、自身の人生を貫く一本調子となっているものに気が付いていくことがテーマとなっていきそうです。
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無意識をひもとく
今週のみずがめ座は、自分がどんな「普通」を夢見ているのか、改めて問い直していこうとするような星回り。
ある高齢の異性装者のブロガーの話のごとし。社会学者・岸政彦の「普通であることへの意志」というエッセイに取り上げられたそのブログは、どの記事にもブログ作成者本人の写真が、何の説明もなく、ただ静かにそこに並んでおり、それが「全体として、このブログを、なにか独特のものにしている」といいます。
というのも、普通は自身のマイノリティ性を明らかにする場合、何らかのメッセージを載せたりして防衛線を張りがちなのにも関わらず、そうしたことを一切やっていないがゆえに、そこには見る側にとって不思議な静謐さが感じられたのです。
あなたもまた、自分がただなんとなく多数派的な意味での普通に甘んじているのか、それとも、先の異性装者ブロガーのように普通であることに意志をもって臨んでいるのか、改めて考えてみるといいでしょう。
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はらわたのうごめきのみがここにある
今週のうお座は、「俳味」ということをわが身で体現していこうとするような星回り。
『たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ』(坪内稔典)という句のごとし。
作者はこの句を差しあたって自分の辞世の句にしよう、という旨のことをどこかに書いていましたが、「辞世の句」というものに何かもっともらしい人生訓のようなものを期待している人がほとんどであることを考えれば、俳諧というものが本来持っている軽妙・洒脱な味わいとしての「俳味」をあくまで地で行き続けることこそが、作者の意図なのでしょう。
あなたもまた、ここらで一つ辞世の句を練ってみるべし。
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