世の中、いろんな趣味がある。どれも熱中すれば確実に面白いものばかりだけど、大なり小なり疲れることもあるだろう。車好きは休日になるとカスタムしたり洗車したりドライブしたりするが、日暮れになれば心地よい疲れをおぼえる。
釣り好きは爆釣でも坊主だったとしても、終わってみればしっかり疲れてしまい、布団に入ると朝までごっとり、ということが多い。模型マニアはインドア派だから疲れないように見えるが、半日ぐらいかけてプラモをいじってると頭も目も疲労を感じるものだし、肩こりに悩まされる。でも、あの疲れが良いんだよね。
このように、趣味というのはある程度の疲労が付帯するものなのだ。好きだから多少の疲れは我慢してでも続けられるというのが、趣味なのである。(文:松本ミゾレ)
パチンコをしていると疲れるのも、当たり前の話!
さて先日、5ちゃんねるに「パチンコ行くと凄い疲れる現象分かる奴いる?」というスレッドが立っていた。タイトルを見れば分かるように、そもそもパチンコも広義の趣味の範疇にあるので、没頭すればそりゃ疲れるという話になる。
だけどまあ、仮に趣味がパチンコしかありませんっていう悲しい人なら、それがわからないのも仕方がない。他の趣味との比較ができないので、あるいは「他の趣味はこんなに疲れたりしないんじゃないか?」と勘違いしてしまうパチンコファンも出てしまう可能性はある。
というか、パチンコホールに出入りする依存症人間の一人として断言できるが、パチンコホールに入り浸る人の中にはこれしか趣味がない人も結構いる。特に借金してまでパチンコしてるような人は、それ以外の娯楽へ目を向けようともしない。
僕の周りにだっている。「パチンコ以外の趣味もほしい」つってプレステ5買っておきながら、負けが込んだらそのプレステ5を買取カウンターに持ってって、購入した時の半値ぐらいで売ってその金でパチンコして負けるヤツ。まあ、僕もプレステ2出た頃に同じようなことしちゃったから、あんまり馬鹿にはできないけど。
意義のある出費をしたいなら……
僕自身パチンコもやるのであんまり偉そうに言えない部分はあるんだけど、やっぱりパチンコって上等な趣味ではない。ホールで遊技すると、光と音の殺人洗礼を大いに浴びることとなり、さらに財布からお札までなくなってしまう。まさしく地獄のような環境に滞在することになるんだけど、それでもたまに勝ってお金が増えると嬉しいんだよね。愚かでしょ? 大多数は生涯収支ドマイナスなのにね。
どんな趣味でも熱中すれば疲れる。でも、趣味によっては、それを補って余りある充実感が得られることもある。僕の場合は模型趣味をずっと続けているけど、やっぱり続けるうちにスキルも身についたし、思ったとおりの塗装とかできると嬉しい。疲れるし、塗料の配合とか考えるとめんどくさいが、一生モノの趣味と思ったらまあ我慢できる。
あと、イチからフィギュアを自作することもできるようになって久しいし、こういうことをやっている間はパチンコホールに出向く機会はめっきり減る(その熱量がずっと続いた試しはなく、大体1体完成後、半年は作りたいものの候補が浮かばないが)。でも、そういう趣味だって当然疲れるし、素材は購入しなきゃいけないのでお金は減る。
どっちみちパチンコもそれ以外の趣味も、最初に書いたように疲労も蓄積すればカネは減るようにできているのだ。だけど、パチンコとは、お金の減り方も違えば、お金を減らすまでの過程と意義も異なってくる。どうせお金は減っちゃうけども、意義のある出費・散財をしたいなら、パチンコ以外の趣味を持ったほうがいいように僕は思う。
でも大部分のパチンコ打ちってさっき書いたようにパチンコ一辺倒になりがち。「プラモ買うための資金を持って街に出たけど、パチンコ屋に入っちゃった」って笑いながら言ってくる人もいるしね。難しいものである。