映画『世界が引き裂かれる時』が6月17日からシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
昨年開催された『第35回東京国際映画祭』で『クロンダイク』というタイトルで上映された同作は、2014年7月にウクライナ・ドネツク州で実際に起こったマレーシア航空17便撃墜事故を背景に、ウクライナで懸命に生きる女性の姿を描いた作品。ロシアとの国境付近に暮らす夫婦の家が襲撃され、2人は壁の修繕に取り掛かろうとするが、親ロシア派と反ロシア派双方の対立は次第にエスカレートし、事態はさらに混乱を極めていくというあらすじだ。
監督は同作が長編5作目となるウクライナ出身のマリナ・エル・ゴルバチ。長回しのワンカットや遠近法が用いられている。
今回の発表とあわせて予告編とポスタービジュアルが公開。ポスタービジュアルには「私はこの狂気の世界で生きていく」というコピーと共に、出産を控える妻の姿や、「穴」の空いた家が写し出されている。
同作はロシアのウクライナ侵攻が始まる直前の2022年1月に『第38回サンダンス映画祭』でワールドシネマ部門監督賞、続く『第72回ベルリン国際映画祭』でパノラマ部門エキュメニカル賞を受賞。『第95回アカデミー賞』では最優秀国際長編映画賞ウクライナ代表に選出された。
