3月31日~4月2日に行われた2023年FIA F2第3戦メルボルンを終え、ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢がドライバーズランキング首位に、フェラーリ育成のアーサー・ルクレールが5位に浮上した。そして、ふたりが所属するダムスがチームランキング首位に浮上している。
ダムスのチームオーナーであり、元F1ドライバーのシャルル・ピックは、岩佐がポール・トゥ・ウイン、ルクレールがFIA F2初表彰台を獲得したフィーチャーレース終了後、「ダムスにとって完璧なフィーチャーレースだった」と振り返った。
「まず、歩夢は厳しいコンディションとなった予選でポールポジションを獲得し、フィーチャーレースではトラブルに見舞われることなく、素晴らしいレースを見せた」
「そしてアーサーもスプリントレースで4位、フィーチャーレースで3位と、2レースとも素晴らしい結果を出して自らの能力を証明した。シーズン当初から我々は自分たちのポテンシャルが高いことはわかっていた。今日はそれを証明できたのだから、素晴らしい気分だ」とピック。
第2戦ジェッダ終了時点では、51ポイント獲得のカンポス・レーシング、49ポイント獲得のARTグランプリに続き、44ポイントでチームランキング3位だったダムス。第3戦メルボルンにて岩佐が27ポイント、ルクレールが20ポイントを獲得し、ARTグランプリに24ポイントの大差をつけるチームランキング首位に浮上している。
ピックは「この先もチャンピオンシップは長い」としつつも、「シリーズランキングをリードしていることはポジティブなことだ」と語った。
「エンジニアはフリー走行から素晴らしい仕事をしてマシンを準備し、ドライバーはコース上で結果を出してくれた。チーム全員のパフォーマンスにとても満足している。本当に嬉しいね!」
また、週末に20ポイントを掴み、ダムスのチームランキング首位浮上に貢献したルクレールは「まず、予選から本当にトリッキーだった。FIA F2でウエットタイヤを履くのは初めてだったから、早く慣れる必要もあったしね」と、レースウイークを振り返った。
「7番手というスタートポジションも悪くはないけど、もっと上を狙えるポテンシャルはあったと思う。土曜日のスプリントレースも好調で、ソフトタイヤをうまく使って最後までペースを維持することができ、ポジティブな要素がたくさんあったと思う」
「そしてフィーチャーレースは素晴らしいレースができた。僕たちの進歩にも満足しているし、最初から最後まで速さがあり、クリーンな走りで表彰台を獲得することができたから、とてもうれしいね! チームに感謝しているよ」
残る11大会22レースに向けては「力強い走りを続けていきたい」と語ったルクレールは、第1戦バーレーン、第2戦ジェッダでは速さを見せつつも、ルーキーらしい荒々しさも顔を覗かせていた。
しかし、FIA F2初開催のメルボルンでもクリーンかつ、常に速さを見せていたことで、今後のヨーロッパラウンドでの活躍にも期待が募るドライバーのひとりとして名を揚げただろう。岩佐のチームメイトであり、もっとも近いライバルでもあるアーサー・ルクレール。その速さが“驚異”から“脅威”へと変わる日もそう遠くはないかもしれない。