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岩佐歩夢が今季初ポール獲得。2点獲得でランキングトップに並ぶ【FIA F2第3戦メルボルン 予選】

2023年03月31日 16:20  AUTOSPORT web

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岩佐歩夢(ダムス)
 3月31日、2023年FIA F2第3戦メルボルンの公式予選が豪雨のなかオーストラリアのアルバートパーク・サーキットで開催され、ホンダ&レッドブル育成の岩佐歩夢(ダムス)が最速タイムを記録し、FIA F2通算3度目、今季初となるフィーチャーレース(決勝レース2)のポールポジションを獲得した。

 FIA F2初開催となったオーストラリア。現地時間10時(日本時間8時)から行われた45分間のフリー走行は、3度の赤旗が導入されるなか、ドライコンディションのもと、地元戦を迎えたアルピーヌ育成のジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)最速タイムをマークしていた。

ただ、FIA F2公式予選直前に行われたF1のFP2中に雨が降り始めたことでコンディションは一変。天候は完全なウエットコンディションとなり、30分間の公式予選は全車がウエットタイヤでアタックに臨むことに。

 F1のFP2の際よりもかなり激しい雨が降り注ぐなか、現地時間17時30分(日本時間15時30分)に公式予選はスタートした。気温14度、路面温度18度、そして風も強く、巻き上がる水煙により視界も困難となるなか、地元オーストラリア出身のドゥーハンからアタックに入った。

 しかし、そんなドゥーハンがチェッカーを受ける寸前、残り時間25分28秒のところでフェラーリ育成のオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング)がターン9に至る高速セクションでスピンを喫しウォールにヒット。ベアマンは自走でピットに戻ったが、セッションは赤旗中断となる。また、レッドブル育成のジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト)もコースオフの影響でフロントウイングにダメージを受けるも、いずれも自走でピットに戻り修復を行なっている。

 破片の回収・清掃が完了後も、雨脚が収まらないことからセッション中断は約16分と長時間に及んだ。メディカルカーによる走行チェックも経て、現地時間17時50分(日本時間15時50分)に、残り時間25分28秒でセッションは再開された。

 セッション開始当初よりもわずかに雨脚が弱まりを見せるなか、真っ先にアタックに入ったドゥーハンが1分52秒238をマークする。続いて岩佐が最初のアタックを敢行するが、まずは1分57秒106に。そんな中、メルセデス育成のフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)が1分50秒355をマークしライバル勢を突き放したかと思われたが、2度目のアタックでドゥーハンが1分49秒808をマークし、トップの座を取り戻す。

 路面は徐々に改善し、それにつれて各車のタイムも向上。残り18分のところではレッドブル育成のアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)が、残り17分のところでロマン・スタネ(トライデント)がトップに浮上するが、ドゥーハンが3アタック目で1分47秒694をマーク。岩佐もタイムを向上し、1分48秒908をマークする。

 その後もデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)、ドゥーハンと次々とトップタイムが塗り変わる中、岩佐歩夢が1分46秒376をマークしトップに浮上。真っ先に1分46秒台にタイムを入れた。ただその直後、ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)が1分45秒736をマークし暫定トップに浮上する。

 この頃には少しづつ視界も好転し、ところによってはレコードラインがはっきりと視認できる場所も出るなか、残り9分ごろより各車2セット目のウエットタイヤに履き替えてコースイン。マルタンス、ハジャルに次ぐ3番手で予選終盤を迎えた岩佐歩夢は気温・路温も低めのなか、ウォームアップ周回も挟み、最後のアタックに備える。

 一方、ランキング2位につけるテオ・プルシェール(ARTグランプリ)が残り4分のところで1分45秒732をマークしてトップに浮上する。しかし、岩佐はプルシェールを0.614秒突き放す1分45秒118をマークし暫定首位に浮上する。

 岩佐がアタックを終えた直後、残り2分58秒のところでそれまで3番手タイムをマークしていたマルタンスがセクター1でウォールにクラッシュ。これで赤旗が掲示され2度目の中断を迎えた。ただ、残り時間もわずかだったこともあり、公式予選は再開されることはなく、そのまま終了。

 岩佐歩夢が今季初、FIA F2通算3度目のポールポジションを獲得。2番手プルシェール、3番手にクラッシュを喫したマルタンスと続いた。スプリントレース(決勝レース1)のスターティンググリッドは予選トップ10がリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したハウガーがポールを獲得している。

 なお、岩佐は今回のポールポジション獲得で2ポイントを獲得。前戦終了時点で2ポイント差だったラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)と同ポイントでランキングトップに並ぶこととなった。第3戦メルボルンの決勝レース1は4月1日現地時間14時20分(日本時間12時20分)より行われる。