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名車と暮らせば~メルセデス「124」との悲喜こもごも~ 第20回 スタッドレスタイヤの使用期間と地球温暖化の関係

2023年03月31日 11:41  マイナビニュース

マイナビニュース

画像提供:マイナビニュース
2022年12月に右フロントタイロッドを交換したことをお伝えして以来の更新となる本連載。今回はタイヤ交換にまつわるお話が中心だ。我がメルセデス・ベンツ「W124」は純正備品が使いやすいことからタイヤ交換も楽々なのだが、スタッドレスの稼働時間が年々、減ってきているような……。


○正月休みの箱根旅行に向けスタッドレスに交換



流行りのオールシーズンタイヤを装着しているユーザーさんは別として、サマータイヤを装着している関東在住のドライバーである我々にとって、冬を前にスタッドレスタイヤに交換するのは毎年の大切な儀式だ。筆者は正月休みに箱根1泊旅行を計画していたため、12月30日の夜になって自宅駐車場であたふたと交換作業を始めることに。たまたまAmazonで購入していた「Jackery」のポータブル電源(最小の240タイプのものです)が大活躍で、USBのLEDライトをつないで照明がわりにした。


取り付けたスタッドレスタイヤは、すでに3シーズン目を迎えた型落ちのグッドイヤー「アイスナビ7」。サイズは195/65R15で、8穴の純正ホイールに装着したものだ。昨シーズンには、スバル「ソルテラ」の雪上走行試乗会に参加するために訪れた群馬サイクルスポーツセンター付近で深雪の上り坂を体験しているので、電子デバイスなし(ABSは作動します)のFRモデルとはいえ性能には全く不安なし。唯一気になるのは舗装路でのロードノイズの大きさなのだが、このあたりは最新モデル「アイスナビ8」ではかなり改善されているとのことだ。



しかし、正月明けに訪れたホテル「箱根本箱」周辺には全く雪がなく、完全なドライ状態。降雪時には、スタッドレスを装着しているクルマでもスタックしてしまうほどの急坂が多い場所なので、トランクの中にしっかりとチェーンも携行していたけれども、使わずじまいで済んだ。


その後は1月24日の日産氷上試乗会に参加するため、長野県・白樺高原にある女神湖へ出張。全面凍結した湖上で「アリア」や「エクストレイル」などのe-4ORCE搭載モデルをはじめ、4WDの「GT-R」やRWDスポーツの新型「フェアレディZ」を体験した後の帰り道では猛烈な吹雪に見舞われ、恐る恐る山道を下ることになった(翌25日は関東地方で積雪)。


2月に入ると、毎年恒例の日本自動車輸入組合(JAIA)試乗会に参加するため早朝の大磯プリンスホテルを訪れたり、新型「プリウス」試乗会のため袖ヶ浦フォレスレースウェイに向かったり、3月1日には新型「カングー」試乗のため夜明け前に出発して千葉県の会員制キャンプ場「東京クラシックキャンプ」を訪問したりした。オドメーターの数字が77,777kmになったのもこの時期だ。

○3月頭でサマータイヤに戻す



3月には降雪のおそれもだいぶ薄れ始め、また雪のありそうな場所に取材に行く予定もないということで、早々とサマータイヤに戻すことにした。タイヤはブリヂストン「レグノGRV-Ⅱ」の195/65R15純正サイズで、前期型モデルが採用していた15穴ホイールに装着したものだ。


このように、思いついた時に自力で簡単にタイヤ交換作業ができるのは、メルセデス純正備品の考え抜かれた便利さによるところが大きい。作業は車体の4カ所に開けられたジャッキアップポイントのキャップを外して、トランクに収めてある専用ジャッキをそこに差し込んでハンドルを時計回りにぐるぐると回すだけ、というもの。ホイールボルトの取り付け位置が簡単にわかるアルミの棒のようなガイド(名前があるのだろうか?)を使うのもすばらしいアイデアで、1時間ほどで4輪全部の交換作業が完了した。


考えてみれば、今シーズンのスタッドレスタイヤの装着期間は正味2カ月間だけで、例年に比べるとひと月近く短かった。例えば3年前の3月29日には、満開を迎えた地元・国立市のサクラの上に10センチ近く雪が降り積もったことがあるなど、これまでは寒の戻りが心配でズルズルと交換のタイミングを伸ばすことが多かった。それが今年は、3月の頭に自信を持ってタイヤ交換に踏み切ることができた。原稿執筆時点の3月22日には、自宅マンションのソメイヨシノがほぼ満開の状態。やっぱり、地球は温暖化しているらしい。


ちなみに最近の124は、点火直後のアイドルアップから通常の回転数に戻る際に、エンジンストールしてしまうという症状が何度か見られている。原因はどこに?



原アキラ はらあきら 1983年、某通信社写真部に入社。カメラマン、デスクを経験後、デジタル部門で自動車を担当。週1本、年間50本の試乗記を約5年間執筆。現在フリーで各メディアに記事を発表中。試乗会、発表会に関わらず、自ら写真を撮影することを信条とする。 この著者の記事一覧はこちら(原アキラ)