Contrea株式会社(以下、Contrea)は、医療法人鉄蕉会の亀田総合病院と2023年1月にクラウド型の電子署名サービス「MediOS 電子同意書」の実証実験を開始。一般公開に向けて、同サービスの事前の先行登録を開始しました。
立ち遅れる医療現場のDX日本では現在、国をあげてDX (Digital Transformation)に取り組んでいますが、医療業界は特にDXが進んでいない業界のひとつです。
そこで、厚生労働省は医療機関の本格的なDXを推進するために「医療DX 令和ビジョン 2030」を掲げており、「同意書」のデジタル化も施策のひとつに加えられるなどDXの機運が高まっています。
医療現場では手術や入院、検査などあらゆる場面で同意書が必要とされ、膨大な枚数の同意書が発行されています。また、患者様から回収した紙の同意書を電子カルテ上で確認しないとならないため、1枚ずつスキャンし電子カルテに保存するなど、非効率な運用が行われています。
加えて患者には高齢者も多く、既存の電子署名サービスでは対応が難しいことや、スマートフォンなどを用いたデジタル体験に不慣れであることがDX推進の弊害になっているとのことです。
こうした点を背景に、Contreaらは「MediOS 電子同意書」を開発しました。
患者が自宅からスマートフォンで署名できる「MediOS 電子同意書」は、同意書は各種法律を遵守し、高齢者でも利用できるよう簡単な操作を念頭においた、医療現場に特化したクラウド型の電子署名サービスです。
同意の署名は患者本人のスマートフォンから自宅で署名する方法と、院内で端末を貸し出してその場で取得する方法を用意しています。
また、医療スタッフは連携した電子カルテからも同意書の発行と、署名後の確認を即時的に行うことができます。
2022年1月より亀田総合病院にて開始した「MediOS 電子同意書」の実証実験では、「高齢者でも利用可能か」および「従来の紙を用いた同意書取得及び保存の流れと比較して医療現場が効率化されるか」といった検証を目的に行っています。
デジタル化では法的課題もクリア同意書のデジタル化にあたって、無視できないのが「法的観点」です。電子署名が真正に成立したものと推定するために「電子署名及び認証業務に関する法律(通称:電子署名法)」では、本人の特定性、改ざん検知、この2つを挙げています。
MediOSでは政府の見解として認められた「事業者署名型(立会人型)」による署名を用いています。本人の特定性に関しては対面もしくは患者様固有のURL発行、改ざんに関しては秘密鍵による暗号化された電子署名とタイムスタンプを組み合わせた検知を行っています。
医療にかかわる全ての人に安心を実証実験にあたり、亀田総合病院の亀田俊明病院長は以下のようにコメントしています。
「同意書の電子化が進めば、発行や管理にかかっていた医療現場の業務負担を軽減でき、その分の時間やコストを医療の質向上に振り分けられると期待しています。また、患者さまにとっても、ご自宅からスマートフォンなどで署名することができればサインをするために来院いただくなどの負担がなくなり、同意内容をいつでも気軽に確認できるなど、利便性の向上に貢献できると考えています」
また、Contrea代表取締役CEOの川端一広氏は、以下のようにコメントしています。
「私も病院で働いていた際に、大量の紙の同意書を目の当たりにし「もっと効率化できるのに…」と日々感じていました。2024年に施行される「医師の働き方改革」が目前に迫る中で、MediOS電子同意書が医療現場で利用されることを喜ばしく感じます。しかし、従来の「MediOS動画説明」と今回の「MediOS同意書」はまだ構想の一部にしか過ぎず、Missionである「医療にかかわる全ての人に安心を」を達成できるよう更なるUX改善とプロダクト開発を進めて参ります」
Contreaでは、「MediOS電子同意書」の一般公開に向けて、数医療機関限定で先行利用を募集します。
同意書は病院ごとにフォーマットやオペレーションが異なるため、病院ごとの違いを理解し、先行利用の病院様のオペレーションに根ざすようにサービスの磨きをかけることが目的とのことです。
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000062517.html
(文・Motohashi K.)