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憧れのタワマン高層階を手に入れた男性が「売って引っ越したい」と思うようになった切実な理由

2023年03月26日 00:20  キャリコネニュース

キャリコネニュース

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30代で都内のタワマン高層階を購入。もはや人生勝ち組。そんな気分になっていた男性の誤算は、思わぬところにあった。

都内の某タワマンに暮らす30代男性は、同い年の妻と合わせて世帯年収は1500万円。いわゆるパワーカップルである。子供もいない二人は、高層階から夜景を眺めつつ、優雅な日々を暮らしていてもおかしくない。しかし、いま男性は真剣に引越を考えている。その理由というのが、タワマンの玄関付近にトイレがないから、だという。

このままでは、いつか間に合わない日が

夫妻がマンションの購入を決断したのは、コロナ禍の2022年だった。正直、都内のタワマンは高い。夫婦が購入したタワマンも駅から徒歩10分以上の中古2LDK。それでも8000万円超する物件だ。実際のところ、世帯年収1500万円でもローン返済は厳しいそうだ。

「夫婦共に妊活にはあまり意欲的ではないので、ならば日々の生活を充実させようと思って。二人で暮らすのにちょうどよい広さだと思って決めたんですが……」

最寄り駅までは少々歩くが、駅から都心までは20分圏内。デパ地下で買い求めた食材を使って、夫婦で優雅な週末を過ごそう、などと夢は広がっていた。

「購入直前はコロナ禍の真っ最中で、夫婦ともに週に数日はテレワークという状況でした。ところが、マンションを購入した直後に、私のほうは毎日出社、妻はフルのリモートワークという、全く別のスタイルになってしまいました」

この変化で、思い描いていた生活設計は、大きな変更を余儀なくされた。

「自分は帰宅途中に買い物をしたりできるんですが、妻のほうはかなりストレスがたまる生活になってしまいました。というのも、マンション周辺はコンビニとファミレス、小規模なスーパーがある程度で、ほとんど気分転換ができないんです。タワマンで優雅に暮らすはずが牢屋に閉じ込められているようなものですよ」

もとは地方出身だという男性は「うちの田舎のほうでも、もう少し店はあったと思うんですが……」と自宅タワマン周囲の商店の貧しさを嘆く。「ずっと在宅」の妻のストレスを軽減するために、家事も熱心に取り組むようになったという。

そんなことで、理想とはちょっと違うタワマン暮らしになってしまった夫妻だが、男性にとって、このタワマンはもう一つ深刻な欠点があった。

「実は、自分はとてもお腹がゆるいのです」

男性は、外出先で強烈にトイレにいきたくなることが、たびたびあるのだという。

「自分の体質に気づいたのは学生の頃なのですが、特に身体に異常があるわけでもありません。自分でも気をつけようと括約筋を締める運動は欠かさないようにしているんですが、それでも危機的状況に陥ったことはあります」

そして、男性はタワマンに引っ越して以来、たびたび「駅から自宅に戻る途中で催してしまう現象」に悩まされるようになってしまった。

帰り道でもトイレのあるコンビニ付近で催したらならばセーフである。しかし、たちが悪いのは「もう少し我慢できると思ったら限界がきた」というやつで、特にピンチになりがちなのが「もうすぐ家」と気持ちが緩む自宅周辺なのである。ここが男性にとって、かなり厄介なポイントだった。

というのも、タワマンはエントランスまで気分的には「もう家に着いた」という感覚になる。しかし、実際は別で、本当に自室までたどり着くには、さらに時間をとられるからだ。

もちろん最大の関門は「エレベーター」だ。密閉された空間内での「粗相」は絶対に避けたい。しかし、帰宅する人が多い時間帯などでは、エレベーターは混雑する。なかなか来なかったり、いちいち各階に止まったり。一刻を争う人にとっては試練以外の何者でもない。実際、男性は必死に括約筋を締め付けて耐え、必死に自宅のトイレに駆け込んだこともあるという。

「体質はどうにもなりませんから、付き合っていくしかないと思いますが、誤算だったのは自分のマンションのエントランスに共用トイレがなかったことです。マンションを探している時には、共用トイレの存在をまったく考えていませんでしたが、こんなことになるとは……」

今のところは「事故」にならず乗り切っている男性だが、今後も耐えきれる自信はないという。

「今までは会社帰りでカバン程度しか持っていなかったので、ダッシュで自宅まで駆け込むことができました。でも、もしも買い物帰りで荷物が多く身動きが取りにくかったら、どうなるでしょう。いよいよ、間に合わなかった……となる日は近いと思っています」

幸いにも、周辺環境の酷さに、妻もタワマンの売却に賛成しているという。

「次は郊外でもいいから、街が充実している駅チカの物件にします。とにかく、間に合う安心が一番ですよ」

果たして、新たな物件に引っ越すまでの期間、男性は無事に過ごせるのだろうか。