保育園で働いているのは保育士だけではない。子どもたちの健康管理や、けがや病気にすぐに対応できるよう看護師が在籍している園もある。今回紹介するのは、保育園の看護師の仕事を即行で辞めた50代女性(徳島県/その他/年収100万円未満)のエピソードだ。(文:林加奈)
「即時対応以外の看護業務はすべて持ち帰りとなり、無給だった」
女性は保育園看護師として入社したはずだった。ところが
「看護師としての業務と保育の補助業務と掃除や洗濯等の雑務があり、保育補助は楽しいし、ほかのスタッフもいい人ばかりで楽しかったが、保育補助と雑務で1日が終わるので、ケガや病気の対応といった即時対応以外の看護業務はすべて持ち帰りとなり、無給だった」
看護業務に集中できなかった女性。園に対する不満はそれだけではなかった。
「園長がワンマンで看護師を見下しており、指示をコロコロ変えたり小学生レベルの露骨な意地悪をされた。新規開設園で。初めに提示された給与は23万円であったが、実際には20万円弱だった」
「園児を病院に送迎したりするのを自分の車でさせられ……」
女性はさらにこう続けている。
「もっと嫌だったのは行事の際に姉妹園のスタッフを送迎したり、検診のときに校医さんを送迎したり、園児を病院に送迎したりするのを自分の車でさせられ、地域柄なのかいくらお願いしても誰1人シートベルト(子ども用)もジュニアシートも買ってくれないので、園児の安全を守れないことがどうしても無理でした」
道路交通法では、子どもを車に乗せるときはチャイルドシートやジュニアシートの着用が義務付けられている。看護師個人の車を使わせることも問題だが、チャイルドシートを使わないのは園の安全管理に問題があると言わざるを得ない。
女性はその後、経営者の引き留めにあったものの、最終的には2か月後に退職できたという。退職後は「今回も無事にゴールド免許更新できてよかったなとは思いますが」と前置きし、こう語っている。
「可愛い園児たちに会えなくなったことと、最後までチャイルドシートやジュニアシートを購入してもらえなかったので、今後の園児たちの安全が心配ではあります」
と最後まで子どもたちのことを気遣っていた。
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