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”呪われた”ファンが待望する『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2期ーーあらすじとPVから注目ポイントを考察

2023年03月22日 09:50  リアルサウンド

リアルサウンド

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season2 予告PV(https://youtube.owacon.moe/watch?v=-V91gYXr7_Q)サムネイルより

※本稿はアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1期のネタバレを含みます。


 今年頭、衝撃的な展開で観るものに消したくても消せない痕を残したアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1期。逃げ込むように穏やかな世界のファンアートや初期のグエルくんの思い出に浸っていたところに、ついに第2期のあらすじ、予告映像が発表された。


(参考:【写真】『機動戦士ガンダム 水星の魔女』スレッタらの“制服コス”がハイクオリティすぎる


 また時を同じくして、渋谷のビジョンや看板のジャックや株式会社ガンダム主催という体の「水星の魔女EXPO」が開催。これがまた嘘のように穏やかで苦しさ倍増。第2期に向けた施策が動き始めたということは、いよいよ私たちは第1期最終話の続きから目を背けることが出来なくなったのだ。


 第2期に繋がる情報は渋谷の各種展開等にもなかったので、これからどうなるかの手がかりはあらすじと予告映像のみ。この2つから注目ポイントを拾ってみよう。最も気になるのは、終盤でようやくお互いのすれ違いが亡くなったスレッタとミオリネが、あの「人殺し」の後にどうなったか。もう2人の間を邪魔しないでくれ……。


 あらすじを確認してみよう。


A.S.(アド・ステラ)122ーー
数多の企業が宇宙へ進出し、巨大な経済圏を構築する時代。
水星からアスティカシア高等専門学園に編入してきたスレッタ・マーキュリーは、
ミオリネ・レンブランの花婿として、株式会社ガンダムの一員として、
出会いと刺激に満ちた学園生活を送ってきた。


プラント・クエタでの事件から2週間。
スレッタは学園で、ミオリネとの再会を心待ちに日々を過ごす。
一方ミオリネはベネリットグループ本社に身を置き、父の容態を見守っていた。
二人に襲い来る新たな困難と、迫られる決断。
少女たちはそれぞれの想いを胸に、
ガンダムがもたらす強大な呪いへと立ち向かっていく。


ーー『機動戦士ガンダム 水星の魔女』公式ツイッター(@G_Witch_M)より


 2週間会ってないの!? なんで!!!


 どうやらミオリネ父は一命を取り止め、ミオリネも付き添っているようだ。とは言えやっぱり避けているのだろうか。元々ミオリネはガンダムを兵器として売っていくことを考えていたし、ベネリットグループが作っているものもまた兵器だ。ガンダムによって誰かが死んだとしても、それを正面から批判することが出來ずに距離を取っているのかもしれない。どうしてこんなことに……。とてもツラい。


 次に映像を観てみる。気になるのは後半の新規カットたち。情報量が多いが、まずはモビルスーツから。気になるのが、大きなブレードアンテナの無いモビルスーツが増えたこと。第1期の戦闘は決闘が中心だったが、決闘のルールに「先に相手のブレードアンテナを折った方が勝利」がある。つまりブレードアンテナが無いモビルスーツは実戦用、兵器だ。第2期に登場するモビルスーツのデザインは実は既に公開されていて、機体の色もグレーを基調にしたものが多く、いよいよ戦争が始まることは間違いなさそうだ。


 どれも気になるモビルスーツだが、特に注目な機体をピックアップする。まずは空飛ぶ刃物を前に出しながら飛ぶ新登場モビルスーツ。なんだか急に往年のスーパーロボットをも感じさせる。デザインはパッと見で第1期に出てきたどの企業のモビルスーツとも異なっており出自不明だが、その頭部はジェガンは彷彿とさせガンダムファンには馴染み深い。推進力も備えた武器から、強襲型と予想できるが今までのモビルスーツとは異なる戦い方をしてくれるだろう。


 もう1機はガンダムファラクト。旧エランくんが駆った機体が再登場。映像では腰部に増加パーツが見てとれ、ビームを放てるドローンのようだ。第1期登場のモビルスーツはほとんど1、2回の戦闘で退場してしまう(エアリアルにバラバラにされる)ので、また登場して活躍してくれるのは嬉しい。特にガンダムファラクトはドローンで相手の動きを止めて高威力射撃で攻撃するスタイルだったのが、攻撃性能のあるドローンの追加でどういう戦い方になるのか、エランが違うと(変な表現だ…)戦闘スタイルも変わるのか。追加パーツのプラモデルはオプションセットで売られるのか。注目ポイントが多く楽しみだ。


 そして映像の中のキャラクター達である。発している言葉がわからず情報量が少ないが、何とか読み取ってみよう。最も印象に残るのは……やはりフェルシーとレネの八重歯コンビの「はぁ!?」と言ってそうな箇所だ。この2人、並んで違和感なく姉妹かのようだが、所属寮は別。もしかしたら、寮同士で手を組む展開もある(そしてそれを知らされたリアクション)かもしれない。寮同士、および企業同士での争いが中心だった第1期から、より強大な、別の敵対勢力が現れることは想像に難くない。戦争であることが強調され、視点や境遇が目まぐるしく変化していくだろう。その中でスレッタとミオリネは、地球寮のみんな、学園のみんなはどうなっていくのか。第2期の注目ポイントであることは間違いない。


 また、映像に映っていたものが何かと同じくらい「映像で何が語られていないか」も重要だ。そう、ボブことグエル・ジェダークの姿が無いのだ。第1期の最後で父親を手にかけてしまった後の彼がどうなってしまうのか。プラモデルの発売予定からダリルバルデの意匠を受け継いだ「ガンダムシュバルゼッテ」が登場することはわかっているのだが、この機体が持つ大型の武器がまるで処刑人の剣のようであり、彼がどのような形・姿で再登場するのか非常に気になるところだ。


 そして最後にスレッタである。最後のセリフで新しい約束をしているということなので、どうやらミオリネとは会話ができている模様。話し方からスレッタの真っ直ぐさは第1期と変わっていない。この元気なスレッタの姿は、安堵も感じるのだが同時に怖さも感じてしまう。どうしても彼女の母への狂信、そして第1期最後の笑顔と画面に広がる赤色が思い出される。これが今、水星の魔女が私たちに残している”呪い”だったのだ。


(布村壮太)