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アース ミュージック&エコロジーが“再”リブランディングに着手 回復の鍵は「安心感」

2023年03月21日 18:02  Fashionsnap.com

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夏コレクションの展示会の様子

Image by: FASHIONSNAP
 「アース ミュージック&エコロジー(earth music & ecology)」が、2023年春シーズンからリブランディングに着手している。ストライプインターナショナルを象徴するブランドだったが、近年は年商ベースで百数十億円程度に縮小している。「アメリカンホリック(AMERICAN HOLIC)」と「グリーンパークス(Green Parks)」といった年商200億円超のブランドが勢いを見せる中、アース ミュージック&エコロジーは原点回帰を図る。

 アース ミュージック&エコロジーは1999年にブランドがスタート。手に取りやすい価格帯やショッピングセンターを中心とした販路で若い女性たちの身近な存在となり、広告塔には宮﨑あおいや鈴木京香、広瀬すずといった人気女優を起用するなどで話題を集めたが、近年は目立ったマーケティング活動が減り、リアルに強みを持つが故にコロナの影響も大きなダメージとなり店舗の閉店も相次いでいた。
 同社は2022年夏にディレクターを招き、リブランディングを実施。エッジのあるデザインを打ち出すなど“新生アース”を訴求したが、ファンには響かなかったという。アース ミュージック&エコロジーカンパニー ヘッドの坂巻暢彦氏は「“変わること”がゴールになっていた」と振り返る。
 2023年春から着手している再リブランディングでは、「アースのあるべき姿」を模索。坂巻氏は「アースのあるべき姿」について「ちょうどよいこと」だと定義し、これを追求することがブランドの原点でもある「手に取る安心感」にもつながると説明する。

 一例として、「フェミニニティ(Feminitity)」をテーマに掲げる夏コレクションでは、一つのテイストに偏らず、フェミニンやカジュアル、シンプルなど様々なテイストを打ち出し、顧客に寄り添う。カーディガン(1999円)はベーシックなデザインに仕上げつつ、接触冷感やウォッシャブルといった機能を備え、2wayのフレアスリーブブラウスやスタンドギャザーブラウス(いずれも1499円/税込)ではイージーケアを採用するなど、使いやすさも意識した。ターゲットは20~30代を軸に、エイジレスに展開。若年層向けにはレトロテイストの商品を提案する。
 リアル店舗はOMO戦略の兼ね合いもあり一度見直しているが、体制が整い次第、地方店舗を中心に出店していく考え。一度撤退したエリアへの再出店も見据える。