多くの職場では、同僚や上司は「さん付け」で呼ぶのが一般的だ。よほど親しくなければあだ名で呼ぶのも呼ばれるのも、抵抗を感じるのではないだろうか。ところが、入社と同時にあだ名で呼ぶ/呼ばれることを強制されたという経験談が寄せられた。
20代男性(東京都/企画・マーケティング/年収250万円)が入社したオンライン塾では、塾長からして
「下の名前からちなみ『スケサン』と呼ばせていた」
という環境だった。(文:林加奈)
勝手に履歴書の情報を開示され、不本意なあだ名に…
あだ名で親睦を深めたかったのかもしれないが、完全に逆効果の人もいる。男性の退職理由は「不本意なあだ名で呼ばれた」ことだからだ。そのあだ名が決まった経緯をこう語る。
「僕は大学で演劇をやっていたという履歴書の学歴欄に書いた情報を勝手に開示され『シナリオ』と呼ばれていました」
「演劇の脚本と映画やドラマのシナリオは違うものだし、ドラマの制作会社を適応障害で辞めている僕は本当に嫌で仕方なく、この理由は告げませんでしたが、不本意なのであだ名で呼ばずに名前で呼んでくださいと伝えていました」
本人の同意なしに勝手にあだ名を決めるのはいかがなものか……。子どものいじめに通ずるものがあるようにも思える。
「また、そのあだ名は教師間のみでしか使われず、生徒の前でそのあだ名を呼ぶことは固く禁じられていて、意味がわかりませんでした」
男性はその塾を3か月で退職した。「あとのものにそのストレスを残してしまったことは申し訳ないと思いますが」としつつ、のちに後輩が「ムカつきすぎるので労基に訴えた」ことを知り「安心しました」と綴っている。