2023年03月20日 17:31 弁護士ドットコム
ファッションモデルの道端ジェシカさんが、合成麻薬「MDMA」を所持したとして、麻薬特例法違反の疑いで警視庁に逮捕された――。NHKなど報道機関が3月20日、一斉に報じた。
【関連記事:カーテンない家を「全裸」でうろつく女性、外から見えてしまっても「のぞき」になる?】
報道によると、ジェシカさんは、知人と滞在していた都内のホテルでMDMAを所持した疑いを持たれている。警視庁の調べに対して否認しているという。
MDMAは、覚醒剤と似た化学構造を有する薬物。化学的に合成された麻薬の一種で「エクスタシー」とも呼ばれる。
厚労省のホームページでは、視覚や聴覚を変化させる作用や強い精神的依存性があり、乱用を続けると錯乱状態に陥ると説明されている。
本来は白色結晶性の粉末だが、多くは着色がされ、文字や刻印の入った錠剤の形で密売されているという。
報道によると、税関職員が海外から届いた荷物にMDMAが隠されていると気づき、送り先のホテルに届いた際、捜査員が部屋に踏み込んでジェシカさんと知人の男性を現行犯逮捕したという。
空港などで規制薬物を発見しても、その場ですぐに検挙せず、荷物の届け先や受け取る関係者などを捜査し、背後にいる黒幕や組織まで一網打尽に検挙しようとする手法を「コントロールド・デリバリー」という。いわゆる「泳がせ捜査」の一つだ。
こうした泳がせ捜査については、薬物事犯の需要・供給ともに断てる手法として、麻薬特例法で認められている。
規制薬物を塩などの偽物や無害なものにすり替える「クリーン・コントロールド・デリバリー」(クリーンCD)と、すり替えない「ライブ・コントロールド・デリバリー」(ライブCD)がある。
ライブCDは、追跡に失敗すると薬物を持ち逃げされるおそれがあるため、クリーンCDが多いとされている。
MDMAなどの麻薬特例法違反(所持)の量刑は、営利目的でない場合、7年以下の懲役となっている。