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エホバや統一教会2世ら「宗教虐待許さない」「法改正で組織に罰則を」 新たな支援団体設立も

2023年03月18日 20:51  弁護士ドットコム

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全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の集会が3月18日、東京都内で開かれた。エホバの証人や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の2世らが体験談を紹介し、宗教虐待は許されないとのメッセージを発信した。


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宗教信仰に関する虐待については、2022年末に厚生労働省がQ&Aを全国に通知し、判断基準を示した。 統一教会2世の小川さゆりさん(仮名)は講演で「Q&Aだけでは不十分で、今国会中に児童虐待防止法と児童福祉法の改正をしてほしい」と要請。エホバや旧統一教会に変化の兆しは見えず「罰則がないと組織に対して効果は限定的だ」とした。



一方、エホバ3世の夏野ななさん(仮名)らは自身が代表を務める支援団体として一般社団法人「スノードロップ」を設立する方針と発表した。





●「あの頃の自分たちに寄り添いたい」

団体メンバーの当事者はエホバ2世の阿部真広さん、統一2世のもるすこちゃんさん。幅広くロビー活動をする「宗教2世ネットワーク」の役割とは違い、宗教虐待に特化した。教育現場や児童相談所とも連携することを想定している。



社会学の猪瀬優理・龍谷大教授も加わり、監事には全国弁連の山口広弁護士、サポートに同・木村壮弁護士が付く。有識者と2世問題を研究するほか、独自に漫画などをつくって、子どもに伝わりやすい形で厚労省のQ&Aを広く周知していくという。



理念は「あの頃の私たちに寄り添いたい」。夏野さんは教団内で性被害を受けた経験があることから「女性視点での支援」も掲げる。団体名は花言葉「希望」「慰め」にちなんだ。



「幼少期には助けを求めるすべがありませんでしたし、この苦しみは長い間捨て置かれてきました。救いの手を差し伸べられる社会に変えていきたいと強く思っております」



自身の子どもの卒園式に行ったばかりだというもるすこちゃんさんは「この子どもたちの中に宗教2世はいると思った。でも見た目では分かりません。宗教による児童虐待から守る仕組みづくりに貢献したい」と決意を語った。