2023年、WEC世界耐久選手権のハイパーカークラスにフェラーリ499Pをデビューさせ、トップレベルのプロトタイプカーレースに復帰したフェラーリは、デビュー戦での表彰台獲得に満足しているようだ。
アントニオ・フォコ/ミゲル・モリーナ/ニクラス・ニールセンのドライブする50号車フェラーリ499Pは、3月17日にアメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたWEC第1戦セブリング1000マイルレースをポールポジションからスタートし、トヨタGR010ハイブリッドの2台に次ぐ3位を獲得した。
僚友の51号車は残り2時間の時点で接触があり順位を下げ、トップから11周遅れでフィニッシュを迎えている。
フェラーリのGTおよびスポーツレースカーの責任者であるフェルディナンド・カニッツォは、AFコルセが運営するファクトリーチームは、ハイパーカークラスのデビュー戦に「満足」しており、主要な目標は達成されたと記者団に語り、同時に今後の改善点を強調した。
表彰台でのフィニッシュについてカニッツォは「これが我々にとって最初のレースにおける目標であり、我々の意見では、達成できる最大のものだった」と語った。
「第二の目標は、2台のマシンを最後まで走らせること、つまり信頼性を高めることだった。最終的に、これも達成できた」
「2台のマシンをメカニカルトラブルなく走らせること、それが第一の目標で、ふたつめは表彰台だった。我々は幸せに感じるべきだろう」
「間違いなく、とてもタフなレースだった。トヨタは、経験には価値があることを証明した。我々はそれに対応するため、より多くの経験を集め、データを分析して、より良くできることを確認する必要があるのは明らかだ」
「改善できることはたくさんあると思うが、これは予想していたことだ」
フェラーリは、半世紀ぶりにファクトリーチームとしてスポーツカーレースのトップカテゴリーに復帰するレースの予選で、ハイパーカーの世界チャンピオンであるトヨタを逆転してポールポジションを獲得したが、金曜日の8時間のレースでは、トヨタが強さを見せた。
予選から決勝までトヨタが優勢だった理由を尋ねると、カニッツォはこう答えた。
「おそらく、適切なタイミングで多くの選択をしたのだろう」
「我々は、何らかの形で、すべての準備はできていたと思う。素晴らしいとは言えるが、最初のレースとしては非常に困難だった」
「他の新規参入メーカーを見ると、我々よりも問題があったようだ」
「だから、初レースとしては悪くなかったと思うし、おそらく、次回はもっとうまくやれるはずのものを残せたと思う」
「ポールポジションは、これまでの仕事が我々にとって素晴らしいものだったということを示すものだが、同時に、それが単なる最初の一歩に過ぎないこともよく分かっていた」
決勝レースでポールシッターのフォコは、トヨタのセバスチャン・ブエミとマイク・コンウェイを抑えてスタートを切ったが、GTEのアクシンデントによりすぐにセーフティーカーが導入された。
フェラーリAFコルセは、このセーフティカー導入の際に2台をピットインさせて給油する作戦を採ったため、8号車トヨタGR010ハイブリッドが首位に浮上した。
これでフェラーリ499Pはトヨタ勢に直接挑むことなく、LMDhメーカーのキャデラック、ポルシェとの3位争いに集中することとなった。
カニッツォは、2台の499Pをセーフティカーでピットインさせたことについて、「最終的には、分析することになる」と述べた。
「それが正しい選択だったとは言わないが、違う選択をしても結果は変わらなかったと思う」
「繰り返しになるが、この最初のレースから分析したいことがたくさんある。だが最終的には、達成したことに本当に満足する必要がある」