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【漫画】“プラモ男子”が“おしゃれ初心者女子”のネイルを手がけると……SNSで話題『指先スクラッチビルド』に続編希望の声

2023年03月16日 08:01  リアルサウンド

リアルサウンド

漫画『指先スクラッチビルド』より

 “既存のアイデアの掛け合わせが新しいアイデアを生む”という話しはよく聞くが、漫画ではこれまでも様々な掛け合わせによって名作が生まれてきた。Twitter上で公開され、マンガサイト「コミックアライブ+」にも掲載されている『指先スクラッチビルド』も、「プラモデル」と「ネイル」という斬新な掛け合わせが光る作品だ。読者からは続編を希望する声も聞かれている。


(参考:漫画『指先スクラッチビルド』を読む


 プラモデルが大好きな男子中学生・長沼昴。ある日、妹がネイルをしている姿を見て、プラモデル作成との共通点の多さを感じ、自身のネイルをハイクオリティに仕上げていた。一方、家柄が厳しくオシャレをすることがはばかられる女子中学生・千代田桜子は、こっそりネイルに挑戦するも全く上手くいかずに意気消沈。そんななか、ネイルの奥深さを語る昴の話をたまたま耳にした桜子は、恐る恐る昴に近づき――。


 本作を手掛けたのは、大学卒業年になって自身に「どこの企業で働きたいんだ?」と問いかけたところ、「就職は無理!」という答えが返ってきたと、お茶目に語ってくれた在間りしんさん(@pirethloid)。現在は専業の漫画家として活動し、週2~3回ほどのペースで出版社と打ち合わせをしながら読み切りの掲載や連載に向けての企画を練っているという。そんな在間さんに、本作を制作した経緯など話を聞いた。(望月悠木)


■描きたいシーンからの逆算でキャラクターを設計


――プラモデルとネイルという斬新な組み合わせはどのように思いついたのですか?


在間:これは担当編集さんのアイデアです。担当さんがもともとプラモデルが好きで、ネイルを見た時に作業工程が近いことに気がついたそうです。また、私自身もプラモデルに興味があったので「面白そうだな」と思い、そこを漫画の中心に据えることにして作り始めました。


――長沼も千代田もどちらも可愛らしいキャラでしたが、どのようなイメージから作り上げたのですか?


在間:プラモデルとネイルという題材を活かしつつ、描きたいシーンから逆算するようにキャラを作りました。長沼は“ネイルを見てもプラモデルとの類似点に目がいくようなやつ”をイメージして、「それなら四六時中プラモのことで頭がいっぱいなプラモ狂なのだろうな」みたいな。千代田は「完成したネイルを前に目を輝かせて喜んでくれるような娘が良い」と思い、オシャレに憧れがあるのに家庭の事情からその一歩が踏み出せないキャラにしました。


――爪を塗られている最中や塗りあがった爪を見ている時など、千代田の顔が可愛らしく描かれているシーンが多かったです。それらのシーンで千代田の顔を描く際に意識したことは?


在間:似た感情でも同じ表情にならないよう、微細な感情の変化をしっかり描き分けようと腐心しています。個々のパーツで言うと「眉毛は複雑な感情を表現できる」と思っているので意識して描いています。あとは可愛くなるように念じています。


■商業連載の可能性も


――テンポも良く読み進められるストーリー展開も魅力に感じました。


在間:絵と台詞がしっかり噛み合った漫画を描こうと意識をしています。その上で一コマあたりのセリフの量、一つの吹き出しあたりのセリフの量が多くなり過ぎないように気を遣っています。


――続編が気になる内容でしたが、今後の展開は予定していますか?


在間:実はネイルとプラモデルを題材にした連載企画を進めているのですが、世に出せるかどうかは現段階では何とも言えません。出なかった時は「あんな読み切り漫画あったな……」とたまに思い出していただければ幸いです。


――最後に今後の制作活動について教えてください。


在間:連載に向けて漫画を描き続けていくと思います。少しでも多くの人に楽しんでいただけるような漫画を描けるように頑張ります!また、現在の作風は『アイドルマスターシンデレラガールズ』の影響が大きいです、ぜひTVアニメ『アイドルマスターシンデレラガールズ』を観てください。


(望月悠木)