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ファセッタズム落合、アンドレ・レオン・タリーのドキュメンタリー映画の試写会に登壇 服飾学生にエール

2023年03月14日 11:32  Fashionsnap.com

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試写会に登壇した落合宏理

Image by: FASHIONSNAP
 昨年1月に逝去したファッションジャーナリスト アンドレ・レオン・タリー(André Leon Talley)の生涯を描いたドキュメンタリー映画「アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者」の公開に先駆けて行われた試写会に、「ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理が登壇した。本作は3月17日からBunkamura ル・シネマで上映される。

 アンドレは、人種差別が色濃く残るアメリカ南部出身で、アフリカ系アメリカ人初の「ヴォーグ(VOGUE)」のクリエイティブディレクターに就任した人物。アナ・ウィンター(Anna Wintour)の右腕として活躍したほか、白人の占める割合が高いファッション業界において、黒人モデルや非白人デザイナーの進出に貢献した。自伝の出版やセレブのスタイリスト、映画出演など活動は多岐に渡り、昨年1月に73歳で逝去した。彼の死に際して、ミシェル・オバマをはじめビヨンセ、ゼンデイヤ、マライア・キャリーなど各界の著名人が弔意を表明。2023年スーパーボウルのハーフタイムショーでリアーナが着用した「アライア(ALAÏA)」の赤いコートは、アンドレのシグネチャーをトリビュートしたと言われている。
 アンドレの生涯を描く同作に関して、落合は公式サイトで「アンドレが圧倒的な美意識と感性に裏付けられた豊富な知識と優しさの方と知りました。 彼を通したファッションがドラマチックな表現で世界中へと広がっていく記録に勇気と愛をもらいました。この映画を観てすぐにデザインをしたくなりました」とコメント。試写会でも、「やる気が出ました。僕はものを作る側の立場だけど、間に入って表現をしてくれる方がこのように美しいと、作る側にも魔法がかかったように頑張れるしデザイナーは成長する、羨ましい」と語った。
 試写会に招待された服飾学生から出た、ファッション業界の現状をポジティブに捉えられない、という質問に対して落合は、「服を作ること自体は飽和して、制限されてしまう部分もあるかもしれない。でも、ファッションを通じてまだできていないことは世の中にたくさんある。ファッションが好きだという武器を生かして、それが服にならなくても文化や美しいものを作っていくことはできるのではないか」とコメント。学生たちに対して、「いつか一緒に仕事ができればと思います」とエールを贈り、会を締め括った。

■アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者(THE GOSPEL ACCORDING TO ANDRÉ)公開日:2023年3月17日(金)上映館:Bunkamura ル・シネマ ※現ル・シネマは4月9日まで。6月から「Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下」が開業。公式サイト