2021年のDTMドイツ・ツーリングカー選手権王者であるマキシミリアン・ゲーツが、WEC世界耐久選手権の開幕前公式テスト『プロローグ』の現場に姿を見せた。彼はハイパーカークラスのグリッケンハウス・レーシングと、ル・マン24時間レースへの出場に向けた「最初のステップ」を踏んでいるところだという。
メルセデスAMGのファクトリードライバーであるゲーツは、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われたプロローグ初日、チームウェアを着てグリッケンハウスのピットウォールにいた。ただし彼はこのテストにはエントリーしておらず、マシンはドライブしていない。
ドイツメディアは先週木曜日、ゲーツがジム・グリッケンハウス所有のチームからル・マンに参戦し、ハイパーカークラスに参戦するグリッケンハウス007のうち1台をドライブする可能性があると報じた。
この報道について、ゲーツはSportscar365に対し、両者は「しばらく前から」連絡を取り合っていること、そしてニュルブルクリンク24時間レースへの参加を通じて初めて連絡を取り合うことになったと認めた。
「僕の夢は、常にこの高いレベルでの耐久レースをすることだった」とゲーツは語った。
「自分たちに何ができるのか、それが実現するのかしないのか、それを見極めるために参加しているんだ。すべての人とチームの仕組みを学ぶ良い機会だ」
「僕は、クルマのこと、セットアップについてみんなが言っていること、それがどんな展開になるのかについて学んでいるところだ。今年、何をするかはまだ分からないよ」
ル・マン・デビューが目標かと聞かれたゲーツは、次のように答えた。
「イエス、もちろんだ。現時点では(決定まで)それほど遠くないが、チームウエアを着て(テストに)参加できるのは嬉しいことだ。これが最初のステップだよ」
37歳のゲーツは、2023年のDTMでメルセデスAMGのラインアップから外れており、今年のスケジュールには多少の余裕がある。ゲーツは10年あまり所属してきたAMGとの契約は継続しており、今季は同ブランドの他のGT3シリーズに参戦する予定だという。
「僕は(メルセデスAMGと)長期契約を結んでいるが、残念ながら彼らはこのようなレースはやっていない。結局のところ、日程の重複がなければ、僕には何かをする自由があるんだ」
3月17日金曜日に決勝レースが行われる開幕戦に先立ち、各チームがテストを行っているプロローグテストでの、グリッケンハウスLMHのオペレーションに感銘を受けたと付け加えている。
「クラス1時代のDTMのときから、人々がどのように働いているかを知っている。 構造は本当に似ているんだ。 そしてマシン自体もね。こちらの方が、空力性能とパワーに優れているけど」
「これはWEC、そして世界の耐久レースのトップカテゴリーだし、その一部になれるのなら最高だ」
■チームは『BWT』獲得にも期待
チームオーナーのジム・グリッケンハウスは、ゲーツがWECでチームと役割を果たす可能性を認め、予算源とつながりのあるドライバーと契約することの利点を強調した。
ゲーツが加入するとなれば、グリッケンハウスはオーストリアの水処理会社であるBWTという新しいスポンサーを獲得することになり、LMHへの取り組みに財政的な後押しを得ることもできる。
「マキシは素晴らしいドライバーで、ニュルブルクリンクの友人でもある」とグリッケンハウスは述べている。
「私は、ある時点で、マキシが我々のためにドライブすることになると思っている。それが我々にスポンサーをもたらすことを、我々は期待している」
「我々は本当に堂々と立ち、何かをできるはずだ。これほど嬉しいことはない」
「もしそういうことが起こらなかったら、私はある時点でこう言うつもりだ。『これは素晴らしかった。私は他の山に登るつもりだ』とね」
ゲーツは4月下旬の第3戦スパ6時間レース、そして6月の第4戦ル・マンで、このチームからデビューを飾るものとみられるている。スパでのドライブが、追加された2台目のグリッケンハウスになるのか、それともフル参戦する708号車になるのかは不明である。