面接のときに約束した勤務時間が違ったためにすぐに退職したという経験談が寄せられた。その30代女性(埼玉県/年収150万円)は、薬剤師として正社員で働いていたが、結婚を機に家庭との両立を図るため、土日休みで定時で帰れるパート勤務の仕事を探した。
「大手企業の内定をいくつかもらった中で、第二希望の企業が18時上がり勤務の曜日は固定、土日休みを約束してくれたため、第一希望を蹴って就職しました」
その会社をまさか入社してからわずか5日で辞めることになるとは、思ってもみなかったに違いない。(文:林加奈)
18時までのはずが「毎日19時までの勤務になりました」
内定から入社まで1か月あったが、その間に本社から電話があり「勤務時間を18時までではなく19時にしてほしい」とお願いされたという。
「ただ私は、家庭との両立のために18時上がりを希望していたので、少し寄り添って『どうしても店舗都合で19時まで残ってほしい場合は相談のうえ、都度検討します』と答えました」
女性の言い分はもっともだ。18時までの勤務を約束してくれたからこそ入社を決めたのだから。ところが、3日間の研修を経て店舗に配属された初日、こんなことを言われたという。
「私の教育担当という正社員から『あなたが入社するまでの間に店舗の状況が変わったので、曜日固定の勤務ではなく、月~土曜のシフト制、毎日19時までの勤務になりました』と言われました」
一方的な変更だが、雇用契約書では「感染症の流行などで欠員が出てしまった際に柔軟に対応してもらうために形式的に月~土曜のシフト制」となっていた。薬剤師の業界では臨時での出勤はよくあることだったため「初めてのパート勤務ということもあり、特に疑問に思わずサイン」したという。
結果的に、「面接時に約束された内容とは全く違う勤務条件になっていてビックリ」した女性。おまけに仕事内容もハードだった。
「薬歴(編注:薬剤服用歴)を書くための時間は就業時間中に取ると言われていたのにもかかわらず、薬歴を書く時間は与えられませんでした。配属初日で専用の管理システムの使い方も完璧ではない中、慣れている正社員が投薬するよりも多い人数の患者対応もさせられました」
女性は初日から大量の仕事を任され、何とかその日の業務を終えた。ところが、タイムカードの時間が19時01分になってしまったために、女性は指導薬剤師からこんなことを言われてしまう。
「うちの薬局は残業は認めていません!1分も残業して何考えてんの?これからも残業代は認めないし、薬歴を書く時間も与えませんので、仕事が残るなら退勤登録してからサービスでやっていってください!」
なんと必要な業務を行なう時間を与えずに無賃で残業しろと言うのだ。しかし、薬局側の一方的な態度はこれにとどまらなかった。(後編に続く)
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