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SISE出身のデザイナーによるメンズウェアブランドが本格始動 武田信玄にフォーカス

2023年03月10日 19:51  Fashionsnap.com

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KOH 2023秋冬ルック画像

Image by: KOH
 デザイナーの金丸亨が手掛けるメンズアパレルブランド「コー(KOH)」が、初の展示会を行い、本格的なブランド活動をスタートさせた。今回発表した2023年秋冬コレクションでは、戦国武将武田信玄の鎧の着用スタイルから着想を得たタックやシルエットに、イギリスのテーラードの要素を掛け合わせたアイテムなどを展開。2023年6月上旬ごろから公式オンラインショップで販売する予定だ。

 コーのブランドコンセプトは「FASHION IS THE ARMOR=現代を生きるための戦闘服」で、日本文化の一つである鎧と、アメリカのファッション写真家ビル・カニンガム(Bill Cunningham)の言葉「Fashion is the armor to survive the reality of everyday life.」に由来する。
 金丸亨は、文化服装学院を卒業後「シセ(SISE)」で生産管理として従事。「サフィシェント(SUFFICIENT)」のデザイナーを経て2022年にコーを立ち上げた。今後は年に2度のコレクション発表を予定している。生産管理での経験や産地との関係性を生かし、伝統的な染色や製造方法を用いて国内で生産したテキスタイルを使用している。
 2023年秋冬コレクションは戦国武将の武田信玄に着想を得て製作。甲冑の草摺(腰から腿を覆う防具)の形を引用したポケット付きのベルトが付属したコート「Kusazuri Belt Soutien Collar Coat」はチャコール(13万9700円)とブラック(12万1000円)の2色を揃え、チャコールのツイード生地は信玄を想起させるベージュや赤の糸を用いた絣染めで製作された。このほか、鎧の上から着物を着て袖を捲し上げる武田信玄の姿から着想し、肩に大きくタックを寄せ、フードには取り外し可能な兜のモチーフをつけたブルゾン「Shingen Padded Blouson」(ネイビー14万3000円、レッド13万2000円)をラインナップ。ネイビーのブルゾンは、1970年代に流行し、現在ではコストがかかるため流通しなくなった、色の異なる6本の糸を三本撚りにして織るヴィンテージ生地の製法を採用したテキスタイルを使用している。
 ネイビーのブルゾンと同じ生地で仕立てられたスーツジャケット、シャツ、パンツは、イギリスのクラシカルなテーラードを引用したシンプルなシルエットのタイプと、装飾的なミリタリーテイストのタイプの2型ずつ、計6型を展開。装飾的なジャケット「Layered Jacket」(12万1000円)は、全体的に丸みのあるカッティングで背中にはタックが寄せられており、女性からも支持を得ているという。
 このほか、双子の刺繍アーティスト、ケンダイ(kendai)がデザインした鬼兜をイメージした刺繍が施されたTシャツ(3万800円/全て税込)などを展開する。
 今後は海外でのコレクション発表を視野に、展開拡大を進めていくという。

■KOH:公式サイト