2023年03月10日 17:41 弁護士ドットコム
迷惑動画の撮影や投稿が相次ぐ回転寿司店で、またしても問題行為がおこなわれていたようだ。店内でAV(アダルト動画)を流す様子の映像が、3月上旬ごろからツイッターで拡散されつつある。
【関連記事:カーテンない家を「全裸」でうろつく女性、外から見えてしまっても「のぞき」になる?】
投稿された映像をみると、撮影されたのは「スシロー」の店舗とみられる。スマホがレーン上を移動してくるところから始まり、画面には裸の女性が性的な行為をする動画が流されていた。また、撮影に関係したとみられる人の笑い声も聞こえた。
映像に映る期間限定メニューの販売時期からすると、2016年に撮影された可能性がある。こうした迷惑行為の動画の多くが「発掘」され、繰り返し投稿され、いつまでも削除されずに残り続ける。
回転寿司店における迷惑動画をめぐっては、愛知県名古屋市にある「くら寿司」の店舗で、醤油差しの注ぎ口を舐める様子を撮影し、SNS上に投稿したとして、21歳の男性ら計3人が3月8日に威力業務妨害の罪で逮捕されたばかりだ。
今回のようにAVを回転寿司の店内で流すような行為は、どのような罪に問われる可能性があるのだろうか。濵門俊也弁護士に聞いた。
——罪に問われる可能性はありますか
まず、刑事事件の側面ですが、音量を出してAVを店内で流していれば、威力業務妨害罪や、自治体によっては迷惑防止条例違反(粗暴行為の禁止)が成立すると思います。
また、流していたAVが無修正だった場合には、わいせつ物頒布等罪も成立します。判例によると「わいせつ」とは、「徒(いたずら)に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義に反するもの」とされます。
難しい定義ですが、無修正のAVや画像は「わいせつ」の定義にあたると考えて問題ありません。
ただし、「無修正」とことわりを入れましたが、モザイク入りだからといって、直ちに「わいせつ物」に該当しないと捜査機関が判断するわけでもありませんので、ご注意ください。
——刑事だけでなく、民事でも責任を問われますか
明らかに故意による不法行為が成立するので、損害賠償を請求される可能性は極めて高いでしょう。
【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えております。依頼者の「義」にお応えします。
事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:https://www.hamakado-law.jp/