メルセデスF1のチーム代表トト・ウォルフは、W14の開発の方向性を早急に決める必要があると語った。開幕戦F1バーレーンGPでメルセデスは、レッドブルとフェラーリだけでなく、パワーユニットの供給先であるアストンマーティンにも敗れた。
2022年にW13のパフォーマンス不足のために低迷したメルセデスは、今季型W14に期待をかけていた。しかし、開幕戦バーレーンGPを終えた段階で明らかになったのは、昨年の問題点だったポーパシングは解消できたものの、他に弱点があるということだった。
バーレーンでのW14はフロントのダウンフォースが不足し、それが全体のパフォーマンスに影響、タイヤのひどいデグラデーションをもたらした。ルイス・ハミルトンは5位、ジョージ・ラッセルは7位で決勝をフィニッシュ。レッドブル勢だけでなく、アストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、フェラーリのカルロス・サインツにも敗れた。
バーレーンの土曜、予選後の段階で、ウォルフは、昨年メルセデスが選択し、今年も維持したコンセプトには根本的な問題があると示唆した。メルセデスは5月にイモラで開催される第6戦エミリア・ロマーニャGPで、新たなサイドポッドを導入する予定だといわれる。しかしチームは、それ以上に抜本的な改造を進めていくことになりそうだ。
今はイモラのアップデートを待っているところなのかと聞かれたウォルフは、「いや、もっと徹底的にやっていく必要がある。0.3秒のアップグレードを望んでいるだけではだめだ。より大幅に徹底的なステップを踏む必要があるだろう」と答えた。
しかし現在のF1には厳しい予算制限があるため、メルセデスは誤った方向にマシンを開発するわけにはいかない。
「ライバルが大きなアドバンテージを持っており、追いつくのは非常に困難だ。だが、我々はそれをやらなければならない。選択の余地はない」とウォルフは語った。
「バジェットキャップが我々の今の状況に制約を加えるかどうかは分からないが、どの方向に進むかを決定し、そこにすべてのリソースを投入する必要がある」
「我々はひとつのマシンを開発していく。問題はどのマシンかということだ」
「ドライバーたちは状況をすべて把握している。チーム内で率直に話をしているから、皆が理解している。0.3秒見つけ出して、マシンを磨き上げればいいという問題ではないということにだ」
「優勝とチャンピオンシップをかけて戦う位置に戻るため、大きなパフォーマンスを見つけ出す必要があるのだ」